2017年12月16日(土)

熟練者の背中、AIで学ぶ エクサウィザーズの技能伝承

コラム(ビジネス)
スタートアップ
AI
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2017/12/1 6:30
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 熟練者の背中を人工知能(AI)で学ぶ――。そんな思いで様々な産業にAIの実装を進めるのがエクサウィザーズ(東京・文京)だ。社長はリクルートホールディングスでAI研究所を立ち上げた石山洸(こう)氏(35)。会長にはディー・エヌ・エー(DeNA)元会長の春田真氏(48)が名を連ねる。AIを使った技能伝承で人材難の解決を狙う。

■ゴルフや営業のスキルも伝授

東京・日本橋のシェアオフィスで作業するエクサウィザーズの社員

東京・日本橋のシェアオフィスで作業するエクサウィザーズの社員

 カタカタカタ――。東京駅近くのシェアオフィスで、プログラマーが一心不乱にコードを打ち込む。国籍は日本、フランス、モロッコ……。実に多様。エクサウィザーズのAI開発部隊だ。

 「シェアオフィスだとちょっと気が引き締まりますね」。開発本部の佐藤正規グループリーダー(43)は笑う。現在は本社機能と開発部隊が別オフィスだが、年内にも浜松町の新オフィスに移転。総勢43人の陣容となる。

 エクサウィザーズが展開する「AIコーチング」は、熟練者やハイパフォーマーが持つ技能を分析し、素人やローパフォーマーに伝えるAIだ。

 例えば、プロゴルファーのスイングを学ぶ。まずAIがプロのスイングを学習。スイングの動画を分析し、ヘッドとシャフトがどのあたりを通っているかなどを詳しく調べる。次に一般人のスイングを撮影した動画を学習済みのAIに分析させ、どこに問題があるのかをコーチングする。

AIが頭やヘッドの位置などを分析して、熟練のスイングとの違いを見せてくれる

AIが頭やヘッドの位置などを分析して、熟練のスイングとの違いを見せてくれる

 企業で好成績を残している営業担当者の顧客対応を分析し、後輩らに伝授することも可能という。石山氏は「営業トップの人たちは、商品パンフレットのめくりかたやアイコンタクトなどを暗黙知として持っている。それが分かるようになればスキルとして伝達できるようになる」と話す。

 「ローパフォーマーの能力を底上げすれば、全体の業務が効率化する」と石山氏。人材育成は必要だが、仕事で成果を残せる人が後進教育に時間を割くのは「もったいない」。そこで、先生役の熟練者の代わりをAIが担えば、全体最適につながるというわけだ。

 エクサウィザーズは、2016年2月に春田氏が創業したAIスタートアップのエクサインテリジェンス(東京・文京)と静岡大学発のデジタルセンセーション(浜松市)が、今年10月に経営統合して誕生したばかり。

 もともとデジタルセンセーションは、「ユマニチュード」と呼ぶフランス生まれの認知症ケア手法を伝承するため、AIを使った研究開発に取り組んでいた。17年3月に取締役最高執行責任者(COO)として石山氏が参画した。

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