2019年8月20日(火)

韓国、緩和縮小へ一歩 6年ぶり利上げ
家計負債急増に歯止め?

2017/11/30 19:07
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【ソウル=鈴木壮太郎】韓国銀行(中央銀行)が30日、6年5カ月ぶりの利上げを決め、金融緩和縮小にカジを切った。韓国経済は輸出が好調で消費や設備投資も上向き、2017年は3年ぶりに3%成長を実現する見通しだ。緩和マネーは不動産の高騰を招き、家計負債が急増する副作用も生んでおり、小幅な利上げで正常化を図る。

「(追加利上げは)今後の成長と物価の動きをみながら慎重に判断する」。韓銀が政策金利を0.25%引き上げて年1.5%とした30日、李柱烈(イ・ジュヨル)総裁の記者会見では、早くも追加利上げの時期と回数に関心が集中した。それくらい、今回の利上げは「想定内」だった。

好調な半導体メモリー輸出に依存する危うさはあるものの、韓国経済は回復基調が鮮明だ。韓銀は10月、17年の成長率見通しをこれまでの2.8%から3%に上方修正した。同日発表の「通貨政策方向」では10月予想からさらに「小幅に上回る」とし、景気回復の力強さを強調。利上げの環境は整ったと判断した。

「低金利が続けば家計負債がさらに増えることになり、利上げは適切だった」。漢陽大の河駿●(つちへんに炯のつくり、ハ・ジュンギョン)教授は韓銀の判断を評価する。韓国では家計負債が急増している。16年末時点で1566兆ウォン(約156兆円)と、国内総生産(GDP)比で96%に達した。

家計負債の大半は不動産融資だ。不動産価格は高止まりし延滞率も低いため、直ちに危機につながる可能性は低いが、あまりの急増ぶりを外国人投資家は問題視する。利上げでお金が借りにくくなれば「家計負債の急増に歯止めがかかり、不動産価格の上昇を落ち着かせる可能性がある」(河教授)。

「米連邦準備理事会(FRB)が利上げするからといって、それで我々が金利を決めるようなことはない」。李総裁は12月中旬に開催予定の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げを見越して利上げに踏み切ったとの見方を否定した。

ただ、韓国は1997年のアジア通貨危機の際、資本流出で国際通貨基金(IMF)に支援を要請したトラウマがある。米韓の金利差には敏感で、李総裁の発言を額面どおりに受け取る向きは少ない。米国の利上げを控え、韓国と同様の動きが他国にも広がる可能性がある。

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