2019年6月17日(月)

エルブズ、阪大の石黒教授が株主に
生活支援アプリの改善を加速

2017/11/30 18:19
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過疎地の高齢者の生活支援アプリを提供するエルブズ(東京・渋谷、田中秀樹社長)は30日、大阪大学ベンチャーキャピタル(大阪府吹田市)や大阪大学の石黒浩教授などを引受先とする第三者割当増資を行い、8450万円を調達した。エルブズは石黒教授の研究室と協力してアプリの改善を加速させる。

記者会見で手を合わせるエルブズの田中社長(写真中央)と大阪大学の石黒教授(右から2人目)ら=30日、東京・新宿

エルブズのアプリの名称は「御用聞きAI」。タブレット端末やスマートフォン(スマホ)の画面にキャラクターが登場し、高齢者と会話をしながら、宅配弁当を注文したり、タクシーを呼んだりする。地方自治体へのふるさと納税を原資とした地域ポイントを使って決済することもできる。

2016年から京都府南山城村で実証実験に取り組んでいる。「高齢者にタブレットを見せると『よう使わん(こんなの使えない)』と言われるが、渡してみるとキャラクターとの会話に引き込まれているようだ」(南山城村の手仲圓容村長)

この「会話力」の背景にあるのが阪大の石黒研究室の研究成果だ。石黒研究室は人そっくりのロボットの開発などを通じて、人とロボットのかかわり方を研究している。その一環で対話ソフトも開発しており、エルブズの御用聞きAIにも盛り込まれている。

石黒教授は30日に行われた記者会見で「さまざまな分野でベーシックな開発は終わった。次は人がどのように技術を受け入れるかという点が重要になる」と述べ、エルブズへの出資を機に対話ソフトに磨きをかける意向を示した。エルブズが事業を拡大できれば、株主である石黒教授も経済的な恩恵を受けるチャンスが広がる。

大阪大学ベンチャーキャピタルの神保敏明社長は「阪大の研究成果を一般化できる企業に投資ができた」と語った。エルブズについては、過疎地の高齢者の生活支援という社会的課題の解決に取り組んでいることを指摘し、「いかに社会に有用かどうかを(投資判断の)基準にした」と説明した。

(企業報道部 矢野摂士)

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