2018年10月21日(日)

米、中国に石油禁輸求める 対北朝鮮で安保理緊急会合

2017/11/30 10:54
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【ニューヨーク=高橋里奈】国連安全保障理事会は29日午後(日本時間30日午前)、北朝鮮による新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射を受けて緊急会合を開いた。米国の代表はトランプ大統領が中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席との電話会談で石油の禁輸を求めたことを明らかにし、中国に対応を促した。一方、中国は北朝鮮との対話の重要性を引き続き主張しており、北朝鮮への圧力を巡る温度差は残ったままだ。

緊急会合は日米韓が共同で開催を要請した。全15理事国が弾道ミサイル発射を非難し、「国際社会への脅威であり、世界全体への挑発行為だ」などと糾弾した。

米国のヘイリー国連大使は、仮に戦争になれば北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)政権は完全に破壊されると警告した。各国には「外交や軍事、貿易、科学などあらゆる北朝鮮との関係遮断をすべての国に求める」と訴えた。

ヘイリー氏は安保理決議で北朝鮮からの石炭輸出が禁じられたにもかかわらず「近隣のアジア諸国に石炭が密輸されている」と指摘。また北朝鮮が違法に石油精製品を近隣国から入手しているとし、ミサイル開発を続けるなら、より孤立させる必要があると強調した。

特に制裁対象となっていない原油が核開発の資源となっているとして、供給源の中国に「もっとできることがある」と注文した。トランプ氏が29日朝に中国の習主席に電話して「(中国が)石油禁輸を決断すべき時だ」と伝えたと明らかにし、「中国はリーダーシップを見せなければならない」と名指しで行動を求めた。

日本の別所浩郎国連大使もミサイル発射は「全く受け入れられない。日本が核武装した北朝鮮を容認することは決してない」と非難した。「圧力を最大化する以外に選択肢はない」と述べ、現行の制裁を加盟国が厳格に順守することを訴えた。

安保理は9月の北朝鮮の核実験を受け、同国への石油の輸出制限などの制裁を決定。日米は全面的な禁輸を求めたが、中国とロシアが慎重姿勢を崩さず実現しなかった。中国とロシアは29日の緊急会合で弾道ミサイル発射は非難したものの、従来通り対話の重要性を強調。日米との温度差が改めて浮き彫りになった。

日米は安保理として決める追加制裁には言及しなかった。これまでのミサイル発射では北朝鮮を非難する報道声明を出すことが多かったが、今回は公開会合で各国が立場を明らかにしたとして声明の発表は見送られた。

米国は単独での制裁強化を続ける。ティラーソン国務長官は29日、新型のICBMを発射した北朝鮮への制裁について「追加的な制裁の候補はたくさんある。そのなかには金融機関も含まれる」と述べた。国務省内で記者団に語った。準備ができれば米財務省が公表するとの見通しを示した。

トランプ氏は同日、米中西部ミズーリ州での演説で金正恩委員長を「ちびのロケットマン」「病気の子犬」と罵り、敵意をあらわにした。

日本の菅義偉官房長官は30日午前の記者会見で北朝鮮の圧力強化に意欲を示した。「包括的な解決に向け、どのような圧力を強化していくことが最も効果的かという観点から、関連諸国と連携して(圧力強化を)検討したい」と述べた。「12月に安保理の議長国になる機会をしっかり活用したい」とも語った。

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