2019年6月18日(火)

ローマ法王「人権尊重を」 スー・チー氏と会談

2017/11/29 1:35
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【ヤンゴン=新田裕一】ミャンマーを訪問中のローマ法王フランシスコは28日、首都ネピドーで、アウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相と会談した。法王は会談後に演説し、イスラム系少数民族ロヒンギャの問題で世界の批判を浴びるミャンマーについて「全ての人々の権利、各民族のアイデンティティー、法の支配の尊重に立脚した平和を築かなければならない」と語った。

法王はスー・チー氏が最重要政策として掲げる「平和と和解」について、「正義と人権の尊重がなくては実現し得ない」と強調した。5月に同国がローマ法王庁と外交関係を樹立したことについて「国際社会との対話と協調を約束したものだと受け止めたい」と述べ、同国が国際社会の声に耳を傾けるよう求めた。

一方、法王は演説で「ロヒンギャ」との言葉は使わず、複雑な民族や宗教への感情が交錯するなかで対応の難しさをうかがわせた。ミャンマーでは、ロヒンギャを民族名として用いることに対し国民の多数が反発しており、地元の大司教も表現として使わないように助言していた。

法王の前に演説したスー・チー氏は、ロヒンギャが多く住む西部ラカイン州について「社会的、経済的、政治的な分断が信頼関係と調和を崩してしまった」と指摘した。

ミャンマーでは8月以降、ロヒンギャ系武装集団が治安当局の拠点を襲撃したことへの報復で当局が掃討作戦を実施。そのあおりで60万人以上の住民が隣国バングラデシュに逃れた。両政府は23日、2カ月以内に難民帰還を始めることで合意したが、流出は現在も続いているもようだ。

ロイター通信は27日、国連高官の話として、治安部隊が住民殺害や性的暴行に関与した疑惑に関し国連人権理事会が12月5日に特別会合を開くと伝えた。ミャンマーの人権問題に関する会合としては約10年ぶりとなる。

27日、法王と短時間面会したミン・アウン・フライン国軍最高司令官は「ミャンマーには宗教での差別はない」と主張し、国連などの批判を受け入れないとの立場を強調した。

法王のミャンマー訪問は歴代法王として初めて。29日朝にヤンゴン市内でミサを主宰し、30日まで滞在する。同日バングラデシュの首都ダッカに移動し、ロヒンギャ難民とも面会する予定だ。

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