創業時の苦難越え、働き方革命 チャットワーク・山本氏

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2017/11/29 6:30
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働き方改革が進むなか、社員の情報共有ツールとして業務の効率化に役立つビジネスチャット。同サービスの草分け、ChatWork(チャットワーク、大阪府吹田市)の山本敏行社長(38)は、自社でも社員が働きやすい環境づくりを徹底する。創業当時、自らのモーレツぶりについていけず同志が次々に辞めていった苦い記憶が原点だ。

■高校生で月20万円のビジネス

チャットワーク社長の山本敏行氏(38)

チャットワーク社長の山本敏行氏(38)

チャットワークは大阪発祥だが、米シリコンバレーにも開発の本拠を置く。山本氏は「大阪から世界に通用するIT(情報技術)企業に」と米国に居を移した。

提供する「チャットワーク」は一対一のほか数人のグループ間でもやりとりができる。「LINE」のようにメッセージが相手に読まれたことを示す「既読」表示を使わないのも特徴。返信しなくては、という精神的な負担を軽くした。

ファイル共有やビデオ会議の機能もあり、在宅勤務の社員も社内と同じやり方で仕事を進められる。サービス開始から6年で顧客は205以上の国・地域に広がり、15万3千社が導入している。

山本氏が起業を志した高校時代。父親も音楽スタジオを運営する起業家だったため、「将来は漠然と社長になりたいと考えていた」。「社長」と書かれた湯飲みを使っていたこともある。高校時代は在宅でできる仕事をエクセルのリストにまとめて求職者に紹介するビジネスを始め、月20万円を稼いだ。

「大学卒業までに何かビジネスで成功したい」。山本氏は留学先の米ロサンゼルスで2000年、日本の中小企業向けにホームページ作成などを手掛ける会社を立ち上げた。手応えを感じていたが、家業を継いでほしいとの家族の意向で帰国。音楽スタジオを手伝いながら、卒業後の04年に地元大阪で法人化した。

当時、社内の情報共有に使っていたのがチャットだった。「お疲れさまです」など定型文を毎回打つ必要もなく、文章が簡単でメールより早い。やりとりの履歴が一目で分かるため仕事の管理もしやすい。メールがまだ一般的な日本でビジネスを本格的に展開すれば、商機があると感じた。

11年に「チャットワーク」の販売を開始。「メールの時代は終わりました」と強気のメッセージを打ち出し、注目を集めた。チャットサービスは当時、米マイクロソフトなどが先行していたが、ビジネス用途に的を絞って開発した。

12年にはシリコンバレーに拠点を開設。日米の開発チームが連携してインターフェースやサービスを磨いていった。

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