2019年6月20日(木)

「大物」招く外資ファンドの狙い
金融取材メモ

2017/11/28 22:00
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外資系の投資ファンドが産業界や金融界で実績を残した「大物」の獲得に乗り出している。香港の投資ファンド、ベアリング・プライベート・エクイティ・アジアは11月、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の再建を手がけた森岡毅氏が率いるマーケティング会社「刀」と提携した。

ベアリングは日本で数百億円規模の中堅企業の買収機会を探っている。森岡氏と組み日本企業が弱いマーケティングやブランド力の向上に取り組む。森岡氏自身がベアリングの買収企業の経営者として参画することも視野に入れる。

同ファンドは11月、野村ホールディングス元副社長でギリシャ大使も務めた戸田博史氏をシニアアドバイザーに招いた。

投資ファンドが大物に期待するのは「助っ人」の役割だ。以前より市民権を得ているとはいえ、日本企業にはファンドに買収されることへの警戒感がなお根強い。

日本ではファンドがかける労力の配分は「買収にこぎつけるまでが9割、買収後の経営再建が1割」(大手ファンド首脳)といわれる。世界的なカネ余りでファンドが潤沢な資金を抱え、日本企業の買収合戦が熱を帯びている。外資系にない国内の人脈やノウハウを持つ助っ人の引き合いが絶えない背景には、こんな事情がある。

欧州最大の英ファンド、CVCキャピタル・パートナーズは5月、日本法人の会長兼共同代表として三井住友銀行前副頭取の車谷暢昭氏を起用した。併せてLIXILグループの前社長、藤森義明氏を最高顧問に招いた。

大手企業が近年、事業の選択と集中に動くケースが増えている。子会社の売却はファンドにとって絶好のチャンス。大企業と接触する際に、外部から招いた幹部が持つ豊富なネットワークに頼る構図は各ファンドに共通する。

日本取引所グループの斉藤惇氏(米KKR)、元JPモルガン日本法人の九鬼克行氏(米ブラックストーン)など同様の事例は枚挙にいとまがない。

一昔前まで大物の受け皿になっていたのは外資系銀行や証券。それが今ファンドに主役が入れ替わった。資産運用業が金融の中心になりつつあることの証左でもある。(川上穣)

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