2019年8月20日(火)

東レ、子会社でデータ改ざん タイヤ部品など149件

2017/11/28 11:15 (2017/11/28 12:10更新)
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東レは28日、子会社の東レハイブリッドコード(THC、愛知県西尾市)で製品データを改ざんする不正があったと発表した。2016年7月に不正を把握していたが、公表していなかった。品質データの改ざんを巡っては、神戸製鋼所などでも不正が発覚している。炭素繊維などで高い品質を誇っていた東レでも品質不正が発覚したことで、日本のものづくりへの不信が強まりかねない。

東レの日覚昭広社長らが28日午前、都内で会見した。データを改ざんしていたのは「タイヤコード」といわれる自動車用タイヤの繊維製補強材や、自動車用ホース・ベルトの3品目の補強材。経団連の榊原定征会長が東レ社長を務めていた2008年4月から、品質データの改ざんが始まっていた。16年7月まで149件、約400トンについて品質検査のデータを書き換えていた。

製品は自動車関連メーカーなど国内外の13社に供給していた。不正の対象額は1億5千万円。現時点で法令違反はないほか、製品の安全性にも問題はないという。

THCでは16年7月にアンケートを実施し、その際にデータを改ざんしていたことが判明した。歴代品質保証室長2人が検査工程で、タイヤコードなどの強さを示す「強力」が258ニュートンという数値が出ていたが、顧客と契約した260ニュートンに改ざんしていた。

THCの鈴木信博社長は「室長らは『規格から外れた数値が僅差であり、品質上問題ない』と判断していた。煩雑な作業を省きたいという動機があったようだ」と述べた。規格から外れても顧客の同意があれば出荷できる「特別採用」という制度があるが、室長らは同意なしに出荷していた。

発表時期が遅れたことについて日覚社長は「11月初めにネットの書き込みがあり、噂として流れるより正確な情報を公表すべきだと考えた」と述べた。外部有識者による調査を17年度中に終了させたい考えも明らかにした。

日本の製造業では、品質データを改ざんしていた事例が相次ぎ発覚している。神戸製鋼所は国内外のグループ17工場・子会社でデータ改ざんをしており、このうち13拠点では5年以上にわたり続いていた。

三菱マテリアルは子会社の三菱電線工業と三菱伸銅が製品の検査データを改ざんしていた。顧客と契約した製品の品質基準を満たしていなかったにもかかわらず、製品の寸法や硬さなどを改ざんしていた。三菱電線工業は改ざんが発覚した後も不正の疑いがある製品の出荷を続けていた。

製品の品質データ改ざんのほか、自動車メーカーでは品質検査でも不正が発覚している。日産自動車SUBARUではそれぞれ、無資格の従業員が完成検査をしていた。

子会社による検査データ改ざんの発表を受け、28日の東京株式市場では東レ株が急落した。一時、前日比94円(8.5%)安い1010円50銭まで売られ、約3カ月ぶりの安値を付けた。売り一巡後は買い戻しの動きもみられるが、「企業統治を評価して投資する長期投資家にとっては、不正の発覚自体が売り材料」(いちよしアセットマネジメントの秋野充成氏)との声が出ている。

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