マッサージ機 業界首位 フジ医療器、もみ技体感し開発
関西企業のチカラ

2017/11/28 16:32
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フジ医療器(大阪市)は世界で初めてマッサージチェアを量産した。創業以来磨いてきた「もみ技」は業界最多で、トップシェアを維持する。時代によって身体の「凝り」は異なるが、先端技術を取り入れ、多くの人を癒やし続ける。

南阪奈道路の太子インターチェンジから車で5分。開発拠点の大阪工場(大阪府太子町)の一室には、革が張られず、背中の凝りをほぐす「もみ玉」やエアバッグがむき出しのチェアが置かれていた。空気を送り込む配管やもみ玉の位置をミリ単位で確認する。

「もむ時間が0.1秒変わっただけでも違和感につながる」。そう説明するのはマッサージマイスターの藤代光明さん。マッサージ機の開発は指圧など手の動きをデータ化し再現するのが主流だ。「心地よさは数値だけでは完全に捉えられない」(中西広幸社長)。実際に体感しながら強弱や時間を調整し、気持ちいいマッサージを目指す。

創業は1954年。世界で初めてマッサージチェアの量産に成功した。90年代にはエアバッグで包み込む「圧押し」を他社に先駆けて導入。2001年からはセンシング技術で肩や背骨の位置を検知し、凝りの場所を的確にもみほぐす。

最上位機種ではコースで21種類、部位別では12種類、もみ技では41種類と業界最多。マイスター制度と呼ぶ研究開発体制では性別、年齢などが異なる社員を10人程度集めた「小さな市場」を作っている。利用者目線で柔らかく凝りをほぐす、もみ技を開発。最近ではスマートフォンの使いすぎで疲労した首の凝りをほぐす機能を追加した。

GfK Japanによると17年上半期の家電量販店でのマッサージチェアの販売シェアは48%と首位。全国農業協同組合連合会(JA全農)の指定メーカーで、独自の販路でシニア層を押さえる。「購入層の6割が60歳以上。JA全農の会員と重なる」(中西社長)。高齢社会を商機とみてさらなる成長を狙う。

■トップの一言

「低価格帯も取り扱い、購入するハードルを下げる」と語るのは中西広幸社長。2016年から低価格帯を拡充した。小型化によって狭いマンションなどでも置きやすく、30~40代の購入を促す。「心地よさが分かれば買い替えてもらえる」として高価格帯への移行を狙う「2段階戦略」をとる。

マッサージ機の普及率は10%程度。「成熟市場と言われるが、まだ伸びる」と中西社長。14年に親会社になったアサヒホールディングスが手掛ける暖房機器販売などとの相乗効果も狙う。

 (赤間建哉)

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