2018年6月24日(日)

「HV老舗」のプライド トヨタ、電動化に挑む

2017/11/27 17:36
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 トヨタ自動車が27日、車の電動化技術の報道向け説明会を東京都内で開いた。トヨタはかねて電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)など次世代車を全方位で開発する方針を示しているが、電気自動車(EV)の荒波が押し寄せている。今年はトヨタのHV累計販売台数が1000万台を突破し、世界初の量産型HV「プリウス」発売から20周年となる節目の年。20年の蓄積を転用し、電動化に挑む。

電動化技術について記者会見するトヨタ自動車の安部静生常務理事(27日午後、東京都江東区)

電動化技術について記者会見するトヨタ自動車の安部静生常務理事(27日午後、東京都江東区)

■「まったく違う次元ではない」

 「EVがHVとはまったく違う次元のものと理解されている現状を打破したい」。HV技術などを担当するパワートレーンカンパニーの安部静生常務理事は27日、こう力を込めた。

 安部常務理事はモーター、そして電池、さらに電池からの電力をモーター用に変換する「パワーコントロールユニット(PCU)」の3つがHVやEVなどの車両の電動化に欠かせない要素技術と位置付ける。そのうえで。これらの技術と実績はトヨタが「プリウス」で20年間蓄積してきたと指摘する。

 トヨタはこれまでエコカーや次世代車で圧倒的な競争力を持つHVや、走行時に二酸化炭素を出さないFCVを前面に出してきた。このため「EVは出遅れている」との印象を強めてしまった側面がある。

 トヨタも過去にEVを開発、市販化もしており、手をこまねいていたわけではない。EVの共通モジュールを開発する会社をマツダ、デンソーと設立し、インドではスズキとEV事業で協力関係を構築する覚書を交わしたばかりだ。

後部座席下に高圧水素タンクが配置された「MIRAI」の断面(27日午後、東京都江東区)

後部座席下に高圧水素タンクが配置された「MIRAI」の断面(27日午後、東京都江東区)

■「包囲網」、全方位戦略で突破狙う

 この日の説明会はトヨタの複合ショールーム「メガウェブ」(東京・江東)で開催された。HV「プリウス」やFCVの「ミライ」などの車両や、プリウスに搭載されるモーターや電池などの部品がショールームの一角にずらりと並べられていた。

 展示はHVを中心にこれまでのトヨタの電動車開発の歴史を紹介する構成だ。モーターや電池だけでなく、燃費向上につながる「パワー半導体」などまで電動化に関わる主要部品について、トヨタの技術系社員が開発の経緯や仕組みなどについて解説していた。これら主要部品はサプライヤーや協力企業と組みながら技術をトヨタで内製化したものだ。

 トヨタはかねて次世代車開発については全方位で進める方針を示している。ただ中国や欧米などで純粋なHVをエコカー優遇から外す動きも出ており、「トヨタ包囲網」が狭まっている。EV開発でもHVが技術面の基盤となり同業や新興勢などと比べ優位性が高いことを訴え、次世代でも先行するイメージに転換できるか。イメージ戦略でも全方位へのにらみが重要になる。(大本幸宏)

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