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「再生土」の締め出し加速、住民トラブル増加で

日経コンストラクション

再生土(改良土)による埋め立て工事が原因で異臭による被害が発生したと千葉県佐倉市神門(ごうど)地区の住民が訴えていた問題で、県が土壌の検査結果を踏まえて、事業者に全量撤去を求めたことが分かった。

千葉県議会が採択した、佐倉市神門地区の住民による請願の一部(資料:千葉県議会)

再生土とは、建設汚泥などの産業廃棄物にセメントや生石灰といった固化材を混入して環境基準などをクリアし、土砂状の建設資材として再生したもの。一般には改良土と呼ばれるが、千葉県は再生土と表記している。

近年は、太陽光発電パネルを設置するための土地造成などに再生土を使うケースが増えている。これに伴い悪臭が発生したり、周辺土壌の水素イオン濃度(pH)が強アルカリ性になったりして、近隣住民とトラブルになる例が目立ってきた。

神門地区では昨年から、船橋市内の事業者が1万6000m2(平方メートル)の土地に4万8000m3(立方メートル)の再生土を搬入して埋め立て工事を進めている。現在は一部を駐車場として使用している。

2017年9月、地元住民が県議会に請願書を提出。請願書では、「16年7月頃から、近隣では埋め立て土から発生した異臭で窓が開けられない」、「再生土や汚泥、汚水などの撤去を要求しても事業者は一向に取り合わず、埋め立てを強行している」などとし、県に原因究明などを求めた。県議会はこの請願を採択した。

これを受けて、県は現地の土壌を検査。フッ素の溶出量と鉛の含有量が環境基準の2倍を超えていたため、全量撤去を求める行政指導に踏み切った。

佐倉市は条例改正で利用禁止へ、県も規制強化を検討

リサイクルの趣旨は分かるが、現状では再生土の利用に当たって品質を検査する制度がなく、実際に地域で悪臭の問題が起こっている。使用を禁止せざるを得ない――。佐倉市は神門地区でのトラブルを契機に、再生土による埋め立て工事を原則禁止とする方針だ。

現行の残土条例(正式名は「佐倉市土地の埋立て及び土質等の規制に関する条例」)は自然由来の土砂だけを対象としており、廃棄物由来の再生土は規制の対象外であることから、条例の改正に踏み切る。10月に意見の募集を終え、早ければ11月27日に始まる市議会に改正案を提出する。

佐倉市に限らず、再生土を利用した埋め立て工事を禁止する自治体は増えている。千葉県内では成田市や四街道市、印西市などが既に残土条例を改正し、再生土の利用を原則禁止としている。

千葉県も規制を強化する方針だ。県は16年9月15日、再生土を用いた埋め立て面積3000m2以上の民間工事を対象に、事業者への指導方針や安全基準などを定めた「再生土等の埋立て等に係る行政指導指針」の運用を始めた。しかし、指針には強制力がないため、行政指導に従わない事業者は少なくない。そこで残土条例を改正し、違反した事業者への罰則を設けることなどを検討中だ。

(日経コンストラクション 木村駿)

[日経コンストラクションWeb版 2017年11月27日掲載]

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