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新人王に遊撃の2人 ミスと向き合い明日の糧に

編集委員 篠山正幸

セ、パ両リーグの新人王に、遊撃手という難しいポジションをこなした2人が選ばれた。源田壮亮(西武)と京田陽太(中日)。ともにアジアプロ野球チャンピオンシップに出場、東京五輪に向けた日本代表の主力として期待される。

新人王に選ばれ、笑顔で握手する中日の京田陽太(左)と西武の源田壮亮=共同

新人王は最優秀選手(MVP)とともに記者投票で選ばれる。源田は有効投票数258票のうち252票を獲得。ともに8勝を挙げた石川柊太(ソフトバンク)、山岡泰輔(オリックス)を寄せ付けず、文句なしの当選となった。

京田は286票中208票を得た。次点の大山悠輔(阪神)が49票、3位の浜口遥大(DeNA)が27票で、こちらも厚い支持を得た。

遊撃手での選出はパ・リーグでは1997年の小坂誠(ロッテ)以来20年ぶり、セ・リーグでは2006年の梵英心(広島)以来11年ぶり。そもそも内野手で新人王に選ばれること自体が珍しく、特に高い守備力が求められる遊撃手となれば、快挙といって間違いない。

源田は143試合フルイニング出場

源田は課題とみられていた打撃でも球団の新人記録を塗り替える155安打を放った=共同

源田は「143試合、フルイニング出場できたことが評価されたのではないか」と話した。「毎日初めてのことばかりで。(1年に)143試合もすることが人生でなかったので」。シーズン途中、へとへとになりながらも、1年を乗り切った。

トヨタ自動車で社会人ベストナインに輝いている。守備には定評があり、課題は打撃とみられていた。プロのスピードに慣れ「(社会人時代と違い)ストレートをしっかりはじき返せるようになった」ことで、課題を克服した。

京田は売り物の走塁が評価された、と自己分析。5月24日のDeNA戦では右中間突破の長打を放つと、中継プレーのすきを突いて一気に生還(記録は三塁打と野選)、果敢かつ状況判断にたけた走塁が光った。

2人の快進撃の裏には「悔しさ」があった。源田は自ら「ミスを引きずるタイプ」という。守備のミスがあれば、たとえ安打を放って貢献しても取り返したことにはならない、と考える。ミスはミス、と心にとどめ続け、明日への糧とした。

京田「頭に残るのは僕のミスで負けた試合」

京田も似ている。今季、自分でも納得できるような会心のプレーはあったか、と尋ねた。

「納得したプレーはない。5月の終盤に僕のミスで負けてしまった試合があるんですけれど、それがずっと頭に残っている」

5月28日、ヤクルトに敗れた試合のことを指すのだろう。

二回無死一塁で、併殺コースのゴロをはじいて1死も取れず。その後も、記録は安打となったが、走者にさえぎられ、ほぼ正面のゴロを捕球できず、というプレーがあった。1イニング6失点は京田のせいばかりでもなかったわけだが、あえて1人で背負い込んだ。

アジアプロ野球チャンピオンシップで京田は二塁もこなし、全3試合にスタメン出場した=共同

今どきの野球選手は「切り替え」という言葉を頻繁に口にし、ミスを引きずらない選手が多いようにも見受けられる。だが、それはあくまで次のプレーに向かう心構えのことであって、ミスを忘れるというわけではないのだろう。実際、ミスから逃避せず、きっちり向き合い、それを克服できた者だけが伸びる。そのことを2人の軌跡は示している。

若手主体となったアジアプロ野球チャンピオンシップでは遊撃に源田が入り、二塁に京田を起用した試合もあった。2020年の五輪に臨む日本代表の「近未来」の形を示しているといえるだろう。2人の今後の伸び次第で、フル代表の充実度も変わってくる。

「(来季は)周りからの見る目も変わり、基準が上がる。今年以上の成績を残さないといけない」(源田)

「源田さんとは違ってフルに出ていない。143試合、フルイニングで試合に出ることを目指したい」(京田)

同じ遊撃手として、バリバリに意識し合い、切磋琢磨(せっさたくま)してもらいたい。

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