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エジプトテロ、死者300人超 イスラム教徒も標的に

中東の不安定化映す

(更新)

【カイロ=飛田雅則】エジプト捜査当局は25日、東部シナイ半島のモスク(イスラム教礼拝所)が襲われたテロの死者数が少なくとも305人、負傷者数が128人に拡大したと発表した。シシ政権は「対テロ戦」の強化を宣言。過激派組織「イスラム国」(IS)がエジプトでの標的を治安当局やキリスト教徒だけでなく、イスラム教徒にも広げた可能性がある。

シナイ半島ではISに忠誠を誓う「ISシナイ州」が軍や警察への襲撃を続けている。24日に起きた今回の事件で犯行声明は出ていないが、当局は実行犯がISの旗を持っていたと指摘。金曜礼拝で混雑するモスクが爆弾と銃で襲われ、犠牲者はエジプトのテロで過去最悪の規模となった。

エジプト空軍は24日夜、過激派が潜伏するとみられる山岳地帯を空爆。現地メディアは実行犯と疑われるグループが殺害されたと報じた。シシ大統領はテロを受け「最大限の力で安全と安定を回復する」と訴えた。

これまでエジプトでは治安当局に加え、キリスト教徒がテロの主な対象だった。宗教間の対立をあおることを狙ったとみられるが、当局は今回、イスラム教神秘主義スーフィズムの信奉者らが狙われた可能性を示した。

ISは7月に最大拠点であるイラク北部モスル、10月に「首都」と称するシリアのラッカが陥落し、戦闘員の一部がシナイ半島に逃れた。攻撃対象を広げ、社会が混乱するスキに勢力の挽回を狙っているとの見方がある。中東全体の不安定化を映す事件だといえる。

エジプトでは2013年にシシ氏が事実上の軍事クーデターで実権を握り、テロ対策を強化してきた。治安維持を名目に野党関係者の逮捕も相次ぎ、政権が強硬姿勢をとるほど抵抗が激しくなる構図となっている。

政情不安で経済は低迷し、16年には国際通貨基金(IMF)の支援を仰いだ。変動相場制の導入で通貨が急落、国民は30%超のインフレに苦しむ。高い失業率も続く。こうした現状への不満もテロの温床となっている。

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