北朝鮮対応で溝 5月首相訪ロへ調整加速 日ロ外相会談
共同経済活動の早期実施へ協議

2017/11/24 19:00
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【モスクワ=小川知世】河野太郎外相は24日、モスクワでラブロフ外相と会談した。核・ミサイル開発を続ける北朝鮮への対応を巡り、河野氏は国連安全保障理事会の制裁決議の履行を要請。ラブロフ氏は会談後の共同記者会見で、軍事的手段を排除しない米国を支持する日本の対応に懸念を示すなど溝が浮き彫りになった。

両外相は来年5月に予定する安倍晋三首相の訪ロへ調整を進める方針を確認。河野氏はこれに先立つラブロフ氏の来日を要請した。

会談で河野氏は北朝鮮問題に関し「ロシアの役割は非常に大きい」と圧力強化へ協力を求めた。これに対し、ラブロフ氏は日本が導入する陸上配備型の迎撃システム「イージス・アショア」を含むミサイル防衛について「深い懸念」を伝達。河野氏は「北朝鮮のミサイルに備えるもので、日ロ間の脅威になるものではない」と強調した。

さらにラブロフ氏は記者会見で、米国の北朝鮮対応に関し「軍事的なオプションに踏み切った場合、悲劇的な結果につながることは間違いない」とも主張した。ロシアはかねて北朝鮮問題で対話を重視しており、日本と米国が進める石油の供給制限や経済制裁にも慎重な姿勢を示している。

北方四島での共同経済活動を巡っても協議した。両国は優先事業を養殖や観光など5項目に絞り込み、双方の法的立場を害さない「特別な制度」の検討に着手する。12月中旬に局長級、来年1月から2月にかけて次官級協議を開く日程を確認した。

河野氏は会談後に開いた貿易経済に関する日ロ政府間委員会にも出席。共同議長のシュワロフ第一副首相との間で、首相が2016年に提案したエネルギーや医療など8項目の経済協力プランについて話し合った。河野氏は東日本大震災後の日本産水産物、食品の輸入規制を撤廃するよう働きかけた。

河野氏の祖父と父はソ連やロシアとの外交に深く関わった。祖父、一郎氏は両国が国交を回復した1956年の日ソ共同宣言で、フルシチョフ共産党第1書記と交渉した。父の洋平氏は日ロ政府間委員会を外相時代に立ち上げた。今回の河野氏の訪ロには、3代にわたって対ロ外交に積極的に取り組む姿勢を示す狙いもある。

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