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ジンバブエ、新大統領就任 民主化・経済、かじとり不安

【カイロ=飛田雅則】ジンバブエのムガベ大統領(93)の辞任を受け、国軍に近いムナンガグワ前第1副大統領(75)が24日に大統領に就任した。37年間も続いたムガベ政権が終わり、民主化や経済改革への期待を寄せられるが、もともとムガベ氏の右腕だった人物。強権政治を始めるとの懸念もくすぶり、かじ取りに不安が残る。

24日に大統領就任式典が開かれ、ムナンガグワ氏は「政府は変わる必要があり、今がそのときだ。汚職を撲滅し、若者の雇用機会を作り、国全体の貧困を減らす」と演説した。ムガベ政権時代に停滞した外国投資の呼び込みにも意欲を示した。

2018年に予定される大統領選まで暫定的に国を率いる。歓喜の中で迎えられたムナンガグワ氏だが、反対派の弾圧や不正蓄財などムガベ氏と変わらぬ疑惑がつきまとっている。

英国の植民地時代に政治活動に熱心な両親の下に生まれたムナンガグワ氏は1960年代、白人政権への抵抗運動に参加。リーダーだったムガベ氏と知り合い、運動を支えた。闘争の際に中国やエジプトで軍事訓練を受けたとされる。

80年の独立後、ムガベ政権のもとで国家安全保障相や国防相を経験した。冷徹で抜け目ない性格のため「クロコダイル」(ワニ)との異名をとる。80年代に最大2万人の反ムガベ派が虐殺された事件に関わったとの疑惑がある。

2008年にムガベ氏が出馬した大統領選では、野党政治家の拘束や拷問が相次いだ。ムガベ氏の選挙対策を取り仕切ったのがムナンガグワ氏。敵対者を粛清し、長期独裁を手助けしたとの否定的な評価がつきまとう。

不正蓄財の疑惑もある。1998年にジンバブエが旧ザイール(現・コンゴ)の独裁政権を支援するため内戦に派兵した際、見返りにダイヤモンド鉱山の権益を手に入れたといわれている。2000年代初めには、米政府による制裁措置の対象となっている。

第1副大統領に上り詰め「ポスト・ムガベ」の最有力とみられたが、6日にグレース夫人(52)への権力禅譲を狙うムガベ氏によって突如解任された。関係の深い国軍が反発し、事実上のクーデターを決行。ムナンガグワ氏は軍と連絡を取っていたとし、今回の蜂起への関与を示唆している。

37年にも及んだ長期独裁を終わらせたのは、民衆の力ではなく、与党内の権力闘争だ。新たなリーダーもムガベ氏並みの疑惑があり、民衆の声にどこまで耳を傾けるか不透明だ。早くも新生ジンバブエの先行きを危ぶむ声が広がっている。

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