2019年8月19日(月)

「あらゆる会話を記憶に残す」米AIベンチャーの野望
VentureBeat

2017/11/25 6:30
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あらゆる会話を人間の記憶に残せるようにするという大きな野心を抱く機械学習のスタートアップが現れた。音声を文字に起こすシステムを手掛ける米AIセンスは、機械学習を活用して長い会話を理解し、あらゆる会話を文字で記録するサービスの提供を目指している。

米AIセンスはまずはウェブ会議サービス向けの議事録作成に取り組む(画像はAntiv/Shutterstock)

米AIセンスはまずはウェブ会議サービス向けの議事録作成に取り組む(画像はAntiv/Shutterstock)

AIセンスはまず、ウェブ会議サービスの米ズームと提携し、会議の議事録作成に取り組んでいる。両社は来年、ズームの顧客向けに会話を自動で文字に起こせる製品を実用化する。

音声を文字に起こすのは、機械学習の分野では目新しい技術ではない。米グーグルや米マイクロソフト、米アマゾン・ドット・コムはいずれも独自のシステムを提供している。だが、AIセンスのサム・リャン最高経営責任者(CEO)はあるインタビューで、同社は長い会話に特化しているため、他社よりも優位だという認識を示した。

■消費者が使いたいかは別の話だが…

もっとも、AIセンスは会議の議事録作成にとどまるつもりはない。リャン氏はユーザーの日常会話を全て文字にするのが目標だと明言した。

リャン氏は「会話はいつでも不意に発生し得る。廊下で誰かにばったり会って10分話せば、膨大な情報量が交わされる。これを見過ごしたくない」と語った。

だが、消費者がこれを実際に使いたいと思うかは定かではない。合言葉で起動させると、ユーザーの呼びかけを録音したり、これに応えたりする人工知能(AI)スピーカー「アマゾンエコー」や「グーグルホーム」に対してでさえ、消費者は会話を常に聞かれているのではないかという懸念を抱いているからだ。

AIセンスは実際に会話を常に聞きたいと考えている。このため、当事者全員の同意なしに会話を録音することを禁じる通信傍受法などに絡み、多くの問題が発生する可能性がある。リャン氏は業務に関連する全ての法的義務に従うとしている。

AIセンスが録音された会話ではなく、ウェブで公開されている会話など他のデータを使って会話システムの精度向上に努めているのは興味深い。

■まずは会議や講義の需要開拓

AIセンスは20日、香港の投資会社、維港投資(ホライゾンズ・ベンチャーズ)率いるシリーズAの資金調達ラウンドで1000万ドルを調達したと発表した。今回のラウンドには、米ベンチャーキャピタルのドレイパー・アソシエーツや同ドレイパー・ドラゴン、カナダ人投資家のデビッド・チェリトン氏、米ヘッジファンドのブリッジウォーター・アソシエーツも参加した。

AIセンスの音声転写システムは現時点では少数のユーザーにサービスを提供するベータ版の段階だが、同社はズームと共同開発する製品を完成するだけでなく、誰でも会話を文字に起こせる消費者向けアプリの開発にも取り組んでいる。

リャン氏は自社の将来は日常会話を文字に起こす事業にかかっていると考えているが、まずはビジネス会議や教室での講義などビジネス向けの利用に注力する。

By Blair Hanley Frank

(最新テクノロジーを扱う米国のオンラインメディア「ベンチャービート」から転載)

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