米市との姉妹都市解消を表明、大阪市長 慰安婦像問題
大阪市の吉村洋文市長は24日、姉妹都市の米サンフランシスコ市が民間団体から旧日本軍の慰安婦像の寄贈を受け入れたことについて、記者団に「非常に残念だ。信頼関係が完全に破壊された」と述べ、姉妹都市の提携を解消する考えを正式に表明した。12月中に手続きを終えるとしている。
慰安婦像は地元の民間団体が建設。同日までにサンフランシスコ市議会が像や管理費の寄贈を受け入れる決議を採択し、同市長も承認した。
吉村市長は碑文に日本政府の見解と異なる表現があるなどとして、かねてサンフランシスコ市長に書簡で抗議し、寄贈受け入れに拒否権を行使するよう求めていた。
今後は大阪市議会の各会派に通知した上で解消に向けた手続きを進める。年末までにはサンフランシスコ市側に文書で伝達するという。
両市は1957年に姉妹都市提携し、高校生の交換留学を実施するなど交流を重ねてきた。大阪市議会の自民、公明両市議団は11月22日、吉村市長に「姉妹都市解消ではなく交流の中で解決に向け努力していくべきだ」と申し入れ、慎重な対応を求めている。