中国で100件超差し止め 象牙取引で報告書、環境省
環境省などは24日までに、ワシントン条約で国際取引が禁止されている象牙の違法取引防止に向けた国内外の取り組み状況に関する報告書を公表した。日本から輸出された象牙が中国の税関で差し止められた事例が2011~16年に100件超あったとし、税関当局間での連携強化の必要性を強調した。
報告書では、直近1年間に日本国内で行われた違法取引防止の主な取り組みについて、環境省と経済産業省、企業、非政府組織(NGO)などでつくる官民協議会が対応策を公表したことなどを紹介。
種の保存法を改正し、象牙製品を取り扱う事業者を登録制にしたり、全形を保持した象牙の国内在庫量を把握するキャンペーンを実施したりするなどの取り組みが進んだことも記載した。
象牙を巡っては、アフリカゾウ絶滅の懸念から米国や中国が国内市場を閉鎖。日本は「適切に管理されている」と国内市場を維持するが、ネット大手の楽天や流通大手イオンなどは国際世論を理由に象牙製品の取り扱い禁止を打ち出している。〔共同〕