とっておきのワイン 倉庫の保管サービスで長期熟成
1本8000円→20年熟成で2万円も

2017/11/30 5:40
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保管ワインリストを見ながら飲みごろを考えるのも楽しい

保管ワインリストを見ながら飲みごろを考えるのも楽しい

とっておきのワインをおいしく飲むための専門の保管サービスが増えている。自宅で誤ってワインを劣化させてしまう心配がなく、長期熟成によって価値が高まる楽しみもあるという。

横浜市の会社員Aさん(46)は無類のワイン好きで、自宅のワインセラー(保管庫)に約30本が入っている。もっとも、自宅にあるのは1本2000円くらいの「普段のワイン」だけ。1本5000~7000円ほどで買った約100本の「じっくり楽しみたいワイン」は倉庫会社に預けてある。保管料は100本の合計で月1万円近いが、「長期熟成で味わいが深くなる。気にならない」という。

ワインに適した専用倉庫で熟成させる

ワインに適した専用倉庫で熟成させる

長期熟成に対応したワインセラーは、12本ほど収納できるものが5万円前後で買える。冷やすだけでなく、ヒーターや外気を入れるファンなどで温度と湿度を一定範囲に維持できる。ただし、場所を取るうえ、停電や故障などで温度が上昇したまま放置すると、果実味がなくなり、香りも出てこなくなる心配がある。

■熟成に適した温度、湿度を維持

倉庫会社やワインショップが手がける専用の保管サービスは、年間を通じてワインの熟成に適した13~16℃、湿度60~70%くらいを確実に維持できる。仮に停電になっても自家発電装置が作動するため、ワインの品質に影響が出ない。保管料や預け入れと取り出しの手数料は各社でまちまちなので、自分のニーズに合ったサービスを選べばいい。

寺田倉庫(東京・品川)は9月からワインをボトル1本単位で預けられるサービス「テラダワインストレージ」を始めた。保管料は1本当たり月97円。預け入れるときにボトルの写真と名称、ブドウ収穫年、地域といった情報を登録してくれる。利用者はこのリストをパソコンやスマートフォンから閲覧できる。

自宅にワインセラーを置くほどワインを飲まないけれど、結婚や子どもの誕生の記念で買ったボトルを大事に保管したいというニーズにも応えている。

■自宅に配送

月島倉庫(東京・中央)が9月に始めた「Day倉庫ワイン保管サービス」は、1日単位で預けられるのが特徴だ。保管料はボトル4本が入る専用箱1つ当たり1日21円。数日後のホームパーティーのために高価なワインを買ったけれど、自宅にワインセラーがないという人に向く。東京23区は自社配送車で1箱片道1300円で引き取ったり、届けたりしてくれる。

大手ワインショップ、エノテカ(東京・港)の「オンリーセラー1」は3カ月単位の契約で、長期熟成させたい人に向いている。同社の商品在庫があるエイジング・ワインセラー(栃木県那須塩原市)の専用セラーに預けられる。ボトル12本が入る箱1つの保管料は3カ月で1620円。エノテカで購入し12本を預ける場合は1本当たり月45円なのでテラダよりも割安になる。預かり本数は前年比8%増のペースで伸びている。

■樽入りワインの「先物買い」も

ワイン保管サービスの広がりはワインの長期熟成を楽しむ人が増えたことが一因のようだ。例えば、まだボトル詰めされていない樽(たる)入りのワインの「先物買い」。価格が安いうちにボトル換算で12本などをまとめ買いしておき、ボトルが届いてからは自分で15年以上熟成させる。

熟成によって味と香りに奥行きが生まれ、口当たりはやわらかく、なめらかに。1本8000円ほどだったものが、20年熟成で2万円になるといった具合だ。「旅行先のワイナリー(醸造所)で箱買いし、現地から直接預ける人もいる」(寺田倉庫)

専門の保管サービスであっても地震や火災、事故のリスクはゼロではないので各社の補償も確認しておこう。寺田倉庫は火災なら1本1万円を補償するが、虫害や地震の被害は補償しない。月島倉庫は被害の原因に応じて1箱5万円までの補償。エノテカは地震などを除き、購入時の価格を補償する。

(畑中麻里)

[NIKKEIプラス1 2017年11月25日付]

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