2019年2月20日(水)

降圧剤研究論文撤回を 名古屋大、ディオバンで

2017/11/22 22:00
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名古屋大は22日、製薬会社「ノバルティスファーマ」の降圧剤ディオバンを使った臨床研究の論文について、データ収集の過程に問題があるなどとして、論文を撤回すべきだとする内部調査委員会の調査結果を発表した。データの改ざんは認められなかったとしている。

論文は「ディオバンを服用した患者は別の薬を服用した患者よりも心不全で入院する例が少なかった」とする内容。

調査結果によると、研究者らは、心不全で入院した人と通院した人を集計するとの研究計画を立て、倫理委員会の承認を得ていたのに、計画を変更して入院患者しか集計しなかった。責任者の教授は「(計画の)マイナーな訂正のため倫理委に変更申請しなかった」と説明しているという。

病院の診療録などを調べた結果、別の薬を服用して入院したとされる15人のうち、5人は入院を拒否していたり、検査入院だったりしたことが判明。集めた症例の妥当性を判断する委員会の会議に、ノ社の社員が参加していたことも分かった。

調査委は「研究計画と結果の妥当性に大きな疑問がある」と認定。一部の患者の資料が破棄されており、当初の計画通りに分析し直すことができないため「論文撤回が適当だ」と判断した。

調査委は2014年12月、「恣意的なデータの操作はなかった」と結論付け、集計する心不全患者の定義を修正するよう勧告。しかし16年6月、「勧告に従った修正がなされていない」との指摘が外部からあり、追加調査していた。

修正しなかった理由について、教授は「共同研究者の同意が得られない」などと話しているという。

研究を巡っては、データ操作があったなどとして、京都府立医大などが論文を撤回している。〔共同〕

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