/

所得税改革、時期も火種に 自民税調議論スタート

自民党税制調査会は22日に総会を開き、2018年度税制改正の本格的な議論をスタートさせた。高所得者に負担増を求める所得税改革を最優先課題に掲げる。19年10月に予定する消費税10%への引き上げを控えるなか、増税日程を意識するほど改革は進めにくくなる。対象者の線引きに加えて実施時期にどう折り合いをつけるかも今後の波乱要因になる。

与党は12月14日に18年度税制改正大綱をまとめる。自民党の宮沢洋一税調会長は22日の総会で「基礎控除、給与控除などを含めた所得税の改革」を最優先の検討項目にあげた。この改革の規模やスケジュールがひとまずの焦点になる。

具体的には、フリーランスや請負で働く人が増えていることに対応し、すべての納税者に適用される基礎控除を引き上げ、会社員らに適用する給与所得控除を下げることを検討する。基礎控除は現在の一律38万円の控除から、50万円程度の控除に増額する。

給与収入に応じて年収1000万円なら最大220万円を差し引ける給与所得控除は、上限の年収を800万~900万円に下げ、控除額も188万円程度まで引き下げることを検討する。

一連の改革の議論を急ぐ背景には消費増税が影響している。18年度改正は、消費増税前に大きな改革に踏み込めるかどうかの試金石になる。19年度だと「負担増につながる改正は今以上に進めにくい」との思惑がある。

政府・与党内では早くも給与所得控除の縮小を段階的に実施したり、子育て世帯は増税の対象外にしたりする措置の検討が進む。

年収800万円超の人は全体の1割弱。全体で見れば多くの人は減税になるか、増減税の影響を受けないが、それでも「税額が増えた人は非常にセンシティブになる」(宮沢会長)。慎重なかじ取りを求める声は強い。

所得税改革では、公的年金等控除について高所得者の控除縮小を検討する。現在は年金収入が多ければ青天井で控除を受けられる。年金収入が1000万円超の人や年金以外の収入が1000万円を超える人に対して、ともに控除に上限を設ける案が浮上する。

法人税では賃上げをした企業への減税を進める。先の衆院選圧勝という背景もあり、手法に違いはあれど、減税先行型という改革の考え方にさほど異論は出ていない。

首相の看板政策に党税調も追随し、「人づくり革命」や「生産性革命」を進めるための税制を拡充する。今ある賃上げ税制を見直し、3%以上の賃上げを実現した企業の法人税負担を減らす。法人実効税率は18年度に29.74%まで下がる予定だが、賃上げした企業は一定額を法人税額から控除し、実質的な税負担を25%程度まで引き下げる。設備投資に関しても同様の減税も検討する。

減税を深掘りする一方で、収益を上げながら賃上げしない企業は税優遇措置の対象から外す案も浮上する。特定の要件を満たした企業が減税などを受けられる租税特別措置で、一部の要件に賃上げを加える。メリハリをつけた税制で賃上げへの流れを加速させる。

中小企業にも税優遇を拡大する。20年度までの3年間、新規に導入した機械などへの固定資産税を0.7%からゼロにする方針だ。中小の円滑な事業承継を促すために相続税などの納税猶予制度を拡大。これまで3分の2しか認めなかった非上場株式の猶予を全株に広げる。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン