無痛分娩、診療実績などの公開を要請へ 厚労省研究班
麻酔を使って痛みを和らげる「無痛分娩」で出産した女性が死亡するなどの問題を受け、厚生労働省の研究班は22日、無痛分娩を実施する全医療機関に対して診療実績や診療体制などの情報公開を要請することを決めた。妊婦が出産する医療機関を選ぶ際に役立ててもらうのが狙いだ。
研究班は2017年度中に日本産婦人科医会などを通じてホームページなどでの情報公開を要請する。まずは年間の無痛分娩数や、無痛分娩に関する同意文書などを妊婦に情報提供するよう求める。
研究班は17年度、安全に無痛分娩が行える診療体制を提言としてまとめる。妊婦の急変に対応できる体制や、麻酔の経験といった無痛分娩を行う上で必要となる医師の要件などを定める。これらを固めたうえで診療体制の公開も要請する。
22日の研究班の会議は、日本産婦人科医会が過去6年間に検討を終えた妊産婦の死亡事例277例のうち、無痛分娩が行われていたのは14例だったと報告した。無痛分娩による死亡率は人口10万人当たり4.9人だと試算し、人口動態統計による妊産婦の死亡率と明確な差は認められなかったとしている。