8億円値引き「根拠不十分」 森友問題で検査院が結論
学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地売却をめぐり、会計検査院は22日、約8億円の値引きの根拠とした地中のごみの推計量について、「十分な根拠が確認できない」とする検査結果を参院に報告し、公表した。
一部の行政文書が廃棄されており、「撤去費用の単価の詳細が確認できず、会計経理の妥当性の検証を十分に行えなかった」と指摘した。売却に関与した財務省と国土交通省に対し、文書の管理の改善を求めた。
問題の土地は大阪府豊中市の約8770平方メートルの国有地。森友学園は2015年5月、小学校用地として定期借地契約を財務省近畿財務局と結んだ。その後、学園は地中深くにごみがあるとして、撤去費用分を値引きした額での売却を求めた。
国はごみの量を計約1万9500トンと推計し、16年6月、見積もった撤去費用約8億2000万円を評価額から差し引いた約1億3400万円で土地を学園に売却した。 安倍晋三首相夫人の昭恵氏が小学校の「名誉校長」に一時就任していたことから、政治家の関与や官僚の忖度(そんたく)が値引きなどにつながったのではないかと国会で野党が追及していた。