2019年2月19日(火)

リコー山下社長、重い負の遺産 「聖域なき改革」半年

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2017/11/23 6:30
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「過去の経営との決別」を名門再生の旗頭に掲げて4月に就任した山下良則社長兼最高経営責任者(CEO)がリコーの経営改革に挑んでいる。高コストの北米の体質改善やインド子会社の支援打ち切りといった抜本的な構造改革を打ち出しているが、負の遺産が予想以上に重く、早期に業績を改善できるかは不透明な状況だ。山下改革に求められるのは大胆さとスピードだが、打つ手を誤れば、復活への道が遠のきかねない。

「今年度(2018年3月期)で構造改革をやりきる」――。リコーの山下社長は最近も国内外の現場を飛び回り口癖のようにこう語る。就任から半年余り、山下社長が真っ先に切り込んだのが長く業績不振に陥っていた北米の複合機事業の立て直しだった。

リコーの北米事業は1996年に社長に就任して11年間の長期政権を築いた桜井正光氏ら大物トップが大型買収などで築き上げた。特に08年に米国の独立系事務機販売大手のアイコンオフィスソリューションズを約1600億円で買収してシェアを大幅に拡大し、「世界のリコー」の足場を固めた。

こうした成功体験ゆえ、北米の複合機市場でペーパーレス化が進み収益性が悪化しても打つ手が遅れた。アイコンの買収で営業マンらを大量に抱え込んだ直販体制ゆえ、リストラも難しかった。

だが、山下社長は就任直後から、米国などの販売子会社が手掛ける顧客企業で稼働中の複合機を、代理店に次々に売却するように指示。17年4~6月期に売却分で63億円もあり、大きな収益改善要因にした。米州の従業員数も半年間で約2500人も減らし2万8000人にした。

山下社長は4月中旬の中期経営計画の説明会で「マーケットシェアの追求」といった規模の拡大を最優先するリコーの5原則を見直し、収益重視への転換を宣言。世界に張り巡らされた直販体制などについては「業界が右肩上がりの時は良かったが、今は非効率の温床になっている」として北米で改革に動いた。

もう1つの大きな決断がインド子会社のリコーインドへの財務支援打ち切りだ。1993年に設立し、ムンバイ証券取引所に上場している。新興国市場で重要な拠点だったが、15年に不正会計の兆候が発覚した。16年には増資を引き受けていたが、山下社長は担当幹部らとの協議を踏まえ法的整理も視野に再建の方針を撤回した。

リコーインドについては、以前から社外取締役らを含めて「支援を打ち切るべきだ」との声もあったが、仮に法的整理となれば多額の損失は避けられない。山下社長にとっては18年3月期で構造改革を終えると公約している以上、先送りはできなかった。今回の支援打ち切りで、18年3月期に最大365億円の損失を見込み、6年ぶりの赤字に転落する見通しだ。

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