2018年11月21日(水)

黒いステンレス、高耐食で高意匠性 機械や建材向け

科学&新技術
BP速報
2017/11/22 23:00
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日経テクノロジーオンライン

アベル(大阪府八尾市)は、厚い不動態皮膜を形成して耐食性を高めた黒いステンレス鋼材「アベルブラック」を「ものづくりパートナーフォーラム2017」(主催:日経ものづくり、2017年11月20~21日、東京・品川インターシティホール)に出展した。

アベルブラックのコイル材

アベルブラックのコイル材

通常のカラーステンレス鋼材では不動態皮膜の厚さが0.2~0.3μm(マイクロメートル)であるのに対し、アベルブラックでは0.4μm。化学的処理に加えて電解腐食を併用することで、皮膜を成長させて厚くしている。これにより、母材がSUS304でも、耐食性に優れるとされるSUS316の8倍の耐候性を実現できるという。一方で皮膜の厚さが数μm以上あるメッキや塗装と異なり母材の表面の凹凸は損なわれないため、鏡面仕上げやヘアライン仕上げの母材の素材感をそのまま生かせる。

不動態皮膜は板金加工やレーザー加工などで剥がれず、あらかじめ表面処理したアベルブラックはそのまま機械加工でき、後処理が要らない。機械部品の他、きれいな黒色が保てることから高級意匠建材の材料としても用いられているという。母材はSUS304/316に対応。オーステナイト系ステンレスについても開発を進めている。

絞り加工品の比較。メッキ材や塗装材は絞り加工によって表面にしわや塗装の剥がれが発生するが、アベルブラックは黒い素材をそのまま加工できる

絞り加工品の比較。メッキ材や塗装材は絞り加工によって表面にしわや塗装の剥がれが発生するが、アベルブラックは黒い素材をそのまま加工できる

通常のステンレス鋼材の不動態皮膜の厚さは、数nm(ナノメートル)程度。これに対し、カラーステンレス鋼材は、薬品による化学的処理によって不動態皮膜を成長させ、不動態皮膜の表面および界面のそれぞれの反射光の干渉を利用して発色させている。アベルブラックはさらに厚い不動態皮膜を持つため、耐久性もカラーステンレスに比べて高いという。

(日経テクノロジーオンライン 吉田勝)

[日経テクノロジーオンライン 2017年11月21日掲載]

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