2017年12月12日(火)

ウーバー、5700万人分個人情報流出の隠蔽発覚 16年

ネット・IT
北米
2017/11/22 10:16
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 【シリコンバレー=兼松雄一郎】米ライドシェア大手のウーバーテクノロジーズは21日、2016年後半に5700万人分の個人情報が流出したことを隠蔽していたと発表した。同日、サイバーセキュリティー担当トップら幹部2人を解任した。19年の上場を目指す同社だが、法令順守の体制整備に多大な時間と労力を割かざるを得ない厳しい状況が続く。

ウーバー本社(米カリフォルニア州サンフランシスコ)

ウーバー本社(米カリフォルニア州サンフランシスコ)

 ウーバーは当局への報告を怠ったうえ、攻撃を仕掛けたサイバー犯罪者に10万ドル(約1120万円)を払い、データを削除させていた。

 隠蔽は社内調査で発覚した。ウーバーが外部のクラウドサービス上に保管していたデータに何者かがアクセスし、名前、電子メールアドレス、携帯電話番号などの個人情報を抜き取った。米国の運転手約60万人の名前、免許証番号を含む乗客などの個人情報約5700万人分が流出していた可能性が高い。

 ただ、同社の社内システムには侵入されておらず、現時点では実際の被害も確認されていない。クレジットカードや社会保険番号、位置情報記録、生年月日などが流出した形跡はないという。

 セクハラ隠蔽など度重なるスキャンダルで創業者トラビス・カラニック氏が退任したのを受け、今夏に就任したダラ・コスロシャヒ最高経営責任者(CEO)は火消しに追われている。ウーバーは法令を軽視し、事業展開の速さを優先する企業文化で急成長してきたが、そのツケを払わされている格好だ。14年の個人情報流出時も開示が遅れ罰金を科されていた。

 コスロシャヒ氏は「顧客の信頼を得られるよう過ちから学び仕事の進め方を変える」とのコメントを出した。米国家安全保障局(NSA)の元法律顧問らの助言を受け組織を再構築する。

 ただ、旧体制の象徴であるカラニック氏は取締役として依然、会社に影響力を行使できる立場にある。同氏はCEOだった昨年中には流出を把握していたとされる。度重なる隠蔽に今後、同氏と敵対する大株主のベンチャーキャピタル(VC)から責任を問う声が上がり、内紛が再燃する可能性もある。

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