民間人材採用 週1日、兼業・副業に限定 福山市

2017/11/22 2:00
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広島県福山市は初めて「週1日勤務の兼業・副業」限定で民間人材を採用する。政府が働き方改革の一環として兼業副業を推進する中、いち早く門戸を開き、有能な人材の獲得を目指す。働く側から見ても、兼業副業は転職よりハードルが低い。人手不足が深刻化する中、新たな採用戦略として注目を集めそうだ。

兼業・副業人材の公募について説明する枝広市長(15日、東京・渋谷)

人口減社会を迎え、自治体間競争は激しさを増し、その業務は多様化している。福山市は「新たな発想による攻めの事業創造が不可欠」(枝広直幹市長)として、部署横断的に戦略的な事業を企画立案できるプロフェッショナル人材を民間から募る。人手不足の中、企業に在籍したまま市の業務にも携われる「兼業副業」を受け入れる。

転職サイト運営のビズリーチ(東京・渋谷)と組み、同社ホームページで募集を始めた。(1)女性の活躍促進(2)子育て支援拡充(3)若者の定着支援――などを担う戦略顧問を1人採用する。平日の週1日・月4日程度、福山市役所で勤務する。報酬は1日2万5千円。別途、交通費と宿泊費を支給する。12月12日まで応募を受け付け、2018年3月から就業する。

社会保障・人口問題研究所の推計では、現在約47万人の福山市の人口は40年に約39万人になる。市はこれを43万6千人で維持したい考えだ。市の出生率は1.70(15年)と全国平均の1.45より高く、中核市でトップ。だが数年前から20代から30代前半の女性の市外流出が目立ち始めており、女性支援を充実させる。

募集開始時に都内で開いた説明会には220人が応募、55人が出席した。30代の金融マンは「今後に向けて個人としてのキャリアを考えている。今回の件は本業にもいかせる。金融界などには興味を持つ人が多いのではないか」と話した。

■民間ノウハウ素早く導入

政府は16年設置の「働き方改革実現会議」で兼業副業を議論、17年6月の「まち・ひと・しごと創生基本方針」で地方と都市の間での兼業副業事例の創出を促すとした。

今回の事例について、ビズリーチは(1)福山市は(転職より)容易に人材を確保できる(2)就労者も豊富な行政データの活用などでスキルアップできる(3)人材を出す企業も(他社への兼業より)情報漏洩リスクが低く、地方進出の布石にもなる――などとしている。

行政が外部能力を活用するにはシンクタンクなどに報告書を依頼したり、雇用や出向の形でほぼ完全に来てもらったりするのが一般的だった。福山市が今回の人材募集に踏み切ったのは「優秀な現役の民間人のノウハウをいち早く導入したかった」(枝広市長)ためだ。市勢の維持拡大のために、どんな方法が最も効果的なのか。兼業副業の受け入れは「福山市にとっても新しい挑戦」(同)でもある。

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