2018年11月20日(火)

グーグル流 創造的組織の作り方

コラム(ビジネス)
2017/11/22 6:30
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米グーグルの親会社アルファベットで組織づくりを追求してきたルース・ポラット上級副社長兼最高財務責任者(CFO)と、グーグルのアイリーン・ノートン人事担当副社長がこのほど来日した。2人は日本経済新聞社主催のセミナーに登壇。日本法人の本社を移す狙いや創造性を生み出す働き方など、グーグルが目指す「人と組織」のあり方について話した。

■アルファベット上級副社長兼CFO ルース・ポラット氏

「今回来日した理由の一つは、日本法人のオフィスを六本木(港区の六本木ヒルズ)から、渋谷(渋谷区で東京急行電鉄が建設中の複合ビル)に2019年に移転すると発表することだった。オフィスに収容できる人数が倍(約3000人)になる。採用も増やす。エンジニアも倍増できる。グーグルが採用を拡大することで、才能を持った若い起業家を育成できる。日本は技術のイノベーションを推進してきた社会で、支援したい」

ルース・ポラット氏 米モルガン・スタンレーの最高財務責任者(CFO)などを経て2015年グーグル入社。同年に米アルファベットの上級副社長兼CFOに就任。米スタンフォード大で学士号、ウォートンスクールで経営学修士号(MBA)、ロンドンスクールオブエコノミクスで修士号を取得

ルース・ポラット氏 米モルガン・スタンレーの最高財務責任者(CFO)などを経て2015年グーグル入社。同年に米アルファベットの上級副社長兼CFOに就任。米スタンフォード大で学士号、ウォートンスクールで経営学修士号(MBA)、ロンドンスクールオブエコノミクスで修士号を取得

「グーグルにとって、ビジネスのコアは3つある。企業として長期的な成長を目指すこと。イノベーションの中で新たなビジネスを生み出すこと。そしてオンラインでグローバルにサービスを提供していくことだ」

「スマートフォン(スマホ)の利用者は拡大している。ユーザーの体験の質を高め、オンラインで多くの時間を過ごしてもらう。視覚や音声など、いろいろな環境に合った検索の方法により、日々の生活の助けになるコンテンツを提供する」

「また、グーグルがクラウドを使って企業の効率性を高めることが、イノベーションの目指す道だと思う。私たちは10年以上インフラに投資してきた。(人工知能を活用するための)機械学習の性能も引き上げてきた。新しいビジネスの形が見えている」

「グーグルはイノベーションを継続している。その秘訣だが、社員が勤務時間の2割を自由に使うことでイノベーションが生まれると思っている。また、対象となる領域を広げることでイノベーションは起こる」

「グーグルは持ち株会社のアルファベットを設立したことで、今まで考えてもいなかったところに事業領域を広げてきた。組織としては、社員を集め、社員の声に応えていくことも大事だ。10年前と比べると携帯電話の使い方も変わった。物事を当たり前だと思わないことが重要だ」

「今後、会社がさらに大きく成長するためには、買収も重要な選択肢だ。才能がある起業家をたくさん迎え入れることで、そこから偉大なアイデアも生まれるだろう」

■グーグル人事担当副社長 アイリーン・ノートン氏

「グーグルには3つの資産がある。人、ソフトウエア、データセンターだ。ただしソフトのコードを書くのもデータセンターを動かすのも人だ。グーグルの社員7万8000人を管理するのは重要な仕事だ。人事担当になり、社内の声を聞いた。給料など満足しているという声が多かった」

アイリーン・ノートン氏 米タイム・ワーナーや米タイム誌の社長、米フォーチュン誌統括責任者などを務め、2006年グーグル入社。グローバルセールス担当副社長、グーグルUKおよびグーグルアイルランドのマネージングディレクターなどを経て、16年9月から現職。仏ロレアルの社外取締役も務める。

アイリーン・ノートン氏 米タイム・ワーナーや米タイム誌の社長、米フォーチュン誌統括責任者などを務め、2006年グーグル入社。グローバルセールス担当副社長、グーグルUKおよびグーグルアイルランドのマネージングディレクターなどを経て、16年9月から現職。仏ロレアルの社外取締役も務める。

「グーグルは創業のビジョンを維持するために、毎週社員が集まり、飲食を共にしながら情報を共有している。オフィスも常に人が集まれる環境を整えている」

「グーグルには組織図はあるが、組織の仕組みはよく変わる。グーグルの強みは、マーケットに合わせて組織を素早く再編できることだ。人は変化を好まないが、柔軟に対応できることは良いことだ。グーグルは完璧ではないので先行企業に追いつかないといけない」

「私たちは社員の4つの資質を見ている。役割に合った能力があるか。認知能力や知識があるか。謙虚さがあるか。また好奇心があって楽しさを感じられるか。これらを『グーグリネス』と呼んでいる。情熱を持って仕事をできる人がグーグルには必要だ」

「グーグルは10年ほどかけて採用面接をどの程度すればいいかデータを蓄積してきた。面接官は面接が4件を超えないようにしている。5件以上になると正しく評価できないことがわかった。面接の数を絞っても欲しい人材を採用できるようにテストを実施している」

「グーグルのサービスは世界で毎日使ってもらっている。利用者の男女比は半々だ。だがグーグルの社員の女性比率は3割程度でバランスがまだ取れていない。教育システムが理由の一つだと思う。高校生の女子に理系科目に興味を持ってもらうプログラムを行っている。日本でも4000人の高校生の女子にプログラムを提供した」

「グーグルでは社員が働きやすいように設備やシステムを整えている。運動や休憩できるスペースもある。アメリカでは会社からシャトルバスで帰宅する社員が多い。バスの中で仕事をし、帰宅時間を早めて生産的に作業できる」

[日経産業新聞 2017年11月22日付]

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