2017年12月15日(金)

線路・道路両用車も検討、JR日高線の代替案比較

科学&新技術
BP速報
2017/11/21 23:00
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日経コンストラクション

 JR北海道が高波被害からの復旧を断念したJR日高線の鵡川―様似間について、沿線自治体でつくる協議会は、デュアル・モード・ビークル(DMV、線路・道路両用車)やBRT(バス高速輸送システム)など3通りの代替手段を比較した検証結果をまとめた。

DMVの車両開発費を15億円と仮定。収支は、2014年度の日高線運行時と同じ収入があるとして計算した。「JR日高線(鵡川~様似間)沿線地域の公共交通に関する調査・検討協議会」の資料を基に日経コンストラクションが作成

DMVの車両開発費を15億円と仮定。収支は、2014年度の日高線運行時と同じ収入があるとして計算した。「JR日高線(鵡川~様似間)沿線地域の公共交通に関する調査・検討協議会」の資料を基に日経コンストラクションが作成

JR北海道が開発したデュアル・モード・ビークルのパンフレット(資料:JR北海道)

JR北海道が開発したデュアル・モード・ビークルのパンフレット(資料:JR北海道)

 DMVは初期費用がBRTより安く済むものの、運行開始までに要する期間が最長で、単年度収支も最も悪かった。初期費用、運行開始までの期間、収支のいずれも、通常の乗り合いバスが最も有利だった。

 日高線の鵡川―様似間は高波などの被害で2015年1月から運休が続いている。乗客数の減少が著しかったことから、JR北海道は16年12月、この区間の復旧を断念。バスなどの代替手段への転換に向けて沿線自治体に協議を求めた。

 これに対し、日高町など沿線7町は、北海道や国土交通省北海道運輸局などを構成員とする調査・検討協議会(会長:酒井芳秀・日高町村会長)を17年4月に設立。11月14日に開いた第4回会合で、代替手段を比較した報告書を提示した。報告書は、協議会から調査を受託した建設コンサルタント会社のドーコンがまとめた。

■損傷の大きい区間は一般道を走行

 DMVとBRTは、線路の損傷が大きい日高門別―静内間で一般道を走行するものとした。それ以外の区間では、DMVは線路、BRTは専用道路に造り替えた線路部分を通る。乗り合いバスは、全て一般道を走行するものとした。運行頻度は、現状の日高線代行バスと同じ1日14~16本だ。

日高線(鵡川―様似間)沿線の概要。JR北海道が16年12月に復旧断念を公表した時の資料(資料:JR北海道)

日高線(鵡川―様似間)沿線の概要。JR北海道が16年12月に復旧断念を公表した時の資料(資料:JR北海道)

 初期費用が最も高いのはBRTで、105億7000万円。線路を撤去して専用道を舗装するために費用がかさんだ。DMVは車両の開発や導入に費用がかかり47億1000万円となった。乗り合いバスは、車両の導入費が費用の大半を占めて2億6000万円。

 運行開始までに少なくとも要する期間は、DMVが14年、BRTが6年、乗り合いバスが2年と見積もった。

 単年度収支は、いずれも赤字になる見込みだ。収入が14年度の日高線運行時と同じと仮定した場合、赤字額はDMVが9億5000万円、BRTが5億2000万円、乗り合いバスが1億8000万円。

 検証結果については各町で検討したうえで再度、調査・検討協議会で議論する。沿線自治体の方向性をまとめ、JR北海道との協議に臨む考えだ。沿線7町でつくる町村会の事務局では、代替手段を検討しているものの、JR北海道の復旧断念を受け入れたわけではないとしている。

(フリーライター 山崎一邦)

[日経コンストラクションWeb版 2017年11月21日掲載]

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