日本の15歳、「協力して問題解決する力」2位 OECD調査

2017/11/21 16:00
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15歳を対象に「他人と協力して問題を解決する能力」を測った経済協力開発機構(OECD)の国際学力調査の結果が21日発表され、日本の得点は参加52カ国・地域中2位、機構加盟の32カ国中では1位だった。課題解決能力に重点を置く近年の教育現場の取り組みや、グループ活動が多く協調性を重視する日本流教育が好成績につながったようだ。

主な国・地域の順位と平均得点
順位国・地域名平均点
1シンガポール※561
2日本552
3香港※541
4韓国538
5カナダ535
12ドイツ525
13米国520
15英国519
27フランス494
30イタリア478
OECD平均500

(注)※はOECD非加盟

調査は2015年実施の学習到達度調査(PISA)。国内198校の高校生ら約6600人が受験した。今回、結果が出た「協同問題解決能力調査」は同年度に初めて行った。

生徒はコンピューターを使い、複数の仮想人物とチャット形式で会話をしながら与えられた課題にチームで取り組む。会話の中で問題解決に最適となる発言を選択肢から選ばせる問題などが出された。

日本の平均点は552点でOECD平均を52点上回った。女子が565点と男子より26点高かった。1位はシンガポールで、科学的応用力などPISAの他分野と同様に韓国、香港など東アジアの国・地域が上位を占めた。主要国の順位はカナダ5位、ドイツ12位、米国13位、英国15位、フランス27位、イタリア30位など。

公開された設問の一つは仮想の国に関する問題に、受験者と仮想人物2人がチャットをしながら取り組む設定だった。問題を解く前の話し合いの中で、自分の発言として適切なものを4つの選択肢から選ぶ。正解は「まずやり方を決めた方がよい」と今後の方針を提案する発言で、正答率は日本が72%、OECD平均が55%。

役割分担を決める場面では残る2人の希望を聞き、「なぜその分野がやりたいか説明して」と円滑な合意形成を促すと正解。正答率は日本57%、OECD平均41%だった。

一方、自分が解くと約束した問題を別のメンバーが答えてしまった場面を取り上げた問題の正答率は低く、日本13%、OECD平均17%。相手の間違いを指摘すると正解だったが、「よくやった」「僕が解く問題を変える」など意見の衝突を避ける答えを選んだ生徒が多かった。

文部科学省は今回の順位について「課題解決に取り組む探求的な学習を推進してきた成果ではないか」(学力調査室)とみる。前回12年に実施したPISAの「問題解決能力調査」でも日本は全体の3位。OECDによると、同調査と今回の調査の結果には強い相関関係がみられた。

個人の意見よりグループ内の調和を重視した回答が正解になる場面もあり、同室の担当者は「協調性を重んじる国民性の表れかもしれない」と話す。

OECDは今回の調査で測れる力を「複数人で知識やスキルを出し合い、問題解決を試みる過程で効果的に取り組む力」と説明。あくまでコンピューター上の仮想人物との作業のため、実在の人物との共同作業の能力をどれだけ測れるかは「検討が必要」という。

PISAは3年に1度実施。15年の他の分野の結果は16年に公表されており日本は全参加国中、科学的応用力2位、数学的応用力5位、読解力8位だった。

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