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吊られた男さん 理詰めのパッシブ(投信ブロガー)

2017/11/27 12:00
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 「吊られた男の投資ブログ(インデックス投資)」を運営する「吊られた男」さん(30代後半の男性)は外資系の製薬会社に勤め、妻(共働き)と2児の4人家族。積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)については、預金では資産が増えない以上、投資マニアは別にして、若い世代がこれを使わない手は無いとして、自身もつみたてNISAをフル活用するという。吊られた男さんに、インデックス投資の考え方を聞いた。

■理詰めの性格にぴったりのパッシブ運用

 ――なぜインデックス運用なのですか。

 「金融商品に初めて投資したのは今から15年前、社会人になって企業型DC(確定拠出年金)に加入した時です。ただ、その時はほとんど受け身で、『投資しよう』と思い立ったのは2006年に結婚してからです」

 「お金をためなければと考えたのですが、銀行預金にお金を寝かせておくだけではもったいないので、有利なお金の置き場として投資を始めました。妻の収入を預金としてためて、自分の給与から余裕資金として投資に回せるのは好環境です」

 「本格的な投資スタートは10年前の07年。外国為替証拠金取引(FX)にも手を出しました。ただ長期保有は危険で、通貨の値動きを常時チェックしながらの短期売買が必要です。しかも、レバレッジ(証拠金倍率)を高めてギャンブル性を上げないともうからず、全く性に合わないと分かり、70万~80万円損を出した時点で見切りをつけました」

 「身銭を切った『失敗』の後に、落ち着いたのがインデックス(パッシブ)運用です。市場平均に連動するインデックス運用はしっくりきました。もともと理詰めで考える性分だからかもしれません」

 「長期のリターンの決め手は銘柄選別よりも資産の配分(アセット・アロケーション)にあると知り、ならばインデックスファンドの組み合わせで分散投資しようと考えました」

 「市場平均以上のパフォーマンスを出すアクティブ運用型ファンドが存在しても、自分には運用の巧拙を事前に見抜けるとは思えず、アクティブ型を選んでの当たり外れは、分が悪い賭けのような気がしました」

 「賭けとは違い、販売手数料や信託報酬などの『コスト』は確実にリターンを引き下げる方に働くので、低コストのファンドを探すと、結果的にインデックス運用に行き着く、という理屈です」

■世界の株式で運用、地域配分は「3:4:3」

 ――投資対象と資産配分を教えてください。

 「当面の生活に困らない程度の余裕資金と共働きによる収入があるので、ハイリスク・ハイリターン狙いができます。そのため、現在保有しているのは世界の株式で運用する投信がほとんどです。債券は長期リターンが低く、不動産は分散する度合いがよくわからないので対象外。コモディティー(商品)は物価以上の長期リターンが望めないと考えて除外といった感じです」

 「株式の国際分散投資で重要となる地域配分ですが、投資開始当初は日本株、先進国株、新興国株、先進国債券が各25%程度。現在は日本株、先進国株、新興国株の配分は3:4:3と足して10となる切りのいい割合にしています(図A)。理詰めの性格とは違い、こちらは大ざっぱです」

 「資産配分の比率にはこれしかないという正解はなく、ある程度の割り切りで十分です。3:4:3の配分は日々変動しますが、そのリバランス(資産配分の再調整)は各資産の投信が値下がりしたタイミングで買い増す形で不定期に行っています」

 「投資初期には新興国株のインデックスファンドが無かったので、アクティブ型を購入(図B)。既に売却しインデックス型に入れ替えましたが、これらアクティブ型も現在の収益に寄与しています」

 「個々の新興国としてはインドを有望視して少し比重を多くしています。インドに期待するのは資源の豊富さではなく『頭脳』が国の経済の将来を左右すると考えているからです、ただ、通常の投資信託でインド1カ国に投資するインデックス型はないため、ETF(上場投資信託)を購入しました」

 ――同一指数連動のファンドを複数保有していますが。

 「同じ指数に連動するなら、新たな購入は低コストの方にしますが、既に保有しているファンドを売ってまで買い替えを急ぎません。売却益に税金がかかり、税金の方がコストよりもずっと不利だからです」

■5年間の元本割れから含み益1400万円以上に

 ――こだわりはどこですか。

 「ずばり『分散』『長期保有』『コスト』です。『分散』の目的は値上がり・値下がりするのは何か予想できないから。『長期保有』は世界の経済成長が一時的に落ち込んだとしても、人類の経済活動が続く以上、株式市場全体は将来に向かって上昇する可能性が高いはずで、投資しないのは機会損失になるためです」

 「私自身もリーマン・ショックを挟む初期の5年は元本割れが続きました。でも保有し続ける悲壮感はありませんでした。そして、リターンに対して確実に影響を及ぼす『コスト』が3つ目のこだわりです」

 ――投資の成功体験を感じていますか。

 「07年に70万円でスタートした投資元本は合計で約2089万円になりました(17年9月末時点)。時価は約3529万円ですので、1400万円あまりの含み益です。まだ長期投資の道半ばですが『成功体験』といえそうです」

 「投資を通じて資産運用の話題や経済に詳しくなった他にも、ブログへの書き込みを通じて雑誌の取材を受け、書籍出版も果たすなど行動範囲も広がりました」

 「他の投資ブロガーとのリアルな交流も楽しみです。1、2か月に一度くらい、食事や飲み会に参加しています。たまには野外でのバーベキューの集まりも。ただ世間話を楽しむという感じで、実のところ、資産運用にどれだけ役立っているかは分かりません」

 「『外債投資は必要か否か』『REIT(不動産投信)の適切な配分比率は』など答えが出るとも思えない話で盛り上がることもあり、それも楽しめます。毎年夏に開催される『インデックス投資ナイト』というイベントでは司会役として登壇するなど、交流の機会が増えました」

 ――つみたてNISAへのスタンスは。

 「企業型DCでマッチング拠出を使い、月27500円の積み立て投資をしていますが、現在の基本的投資スタイルは積み立て投資ではなく、随時の一括投資です。投資額は年間200万円程度を目標にし、NISAは年間非課税枠上限の120万円を使い切っています」

 「ただ、来年はつみたてNISAに切り替えます。現行NISAの非課税期間5年に対し、つみたてNISAの20年は切り替えるのに値する大きなメリットと感じます」

■ファンド選びの前に投資の目的を明確に

 ――これから投資を始める若い世代へのアドバイスを。

 「私の場合は大もうけしたいというのではなく、生活を少しでも豊かにし、家族との旅行や少しぜいたくな買い物をする経済的自由度を追い求める中で、投資を始めました。最初に投資の動機や目的をしっかり持つことが何より重要ではないでしょうか」

 「何千本とある中でどのファンドを買えばよいか分からないので投資は難しいと考えるのは、順番が違います。投資の動機さえ明確であれば、投資スタイルもおのずと定まり、それに適した商品も自然と決まると思います。たとえば、短期での大きな収益狙いにはインデックス運用は向かないでしょう」

 「損失を受け止める冷静さも大切です。私自身は市場が暴落したら高値から6割程度の下落は覚悟しています。そうなっても生活に支障が出ないような投資額にとどめています」

 ――アクティブ運用をどう思いますか。

 「『インデックス原理主義者』のようにみられがちですが、アクティブ型も当たり外れのリスクを補えるくらいまで信託報酬が下がってくれば、十分な投資候補になります」

 「アクティブ型の販売手数料や信託報酬の一部を、投資家への説明会などアフターフォローに充てていると聞き及びますが、私自身はそうした手厚いサービスを受けた試しはありません。そうしたサービスは必要な人だけが負担するなど、低コスト化を進める工夫の余地はあるのではないでしょうか」

(QUICK資産運用研究所 聞き手は高瀬浩、小松めぐみ)

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