2018年1月19日(金)

ASEM外相会合が開幕 ロヒンギャ問題焦点
欧州、迫害調査や難民帰還を要求へ

東南アジア
2017/11/20 10:33 (2017/11/20 12:50更新)
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 【ネピドー=新田裕一】ミャンマーの首都ネピドーで20日、アジア欧州会議(ASEM)外相会合が開幕した。開催国ミャンマーは、治安部隊がイスラム系少数民族ロヒンギャを迫害したとして非難を浴びている。人権問題を重視する欧州は、外相会合でもロヒンギャ問題を取り上げる考え。迫害行為の調査などの要求に対し、アウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相がどう応じるかが焦点となる。

 外相会合に先立ち、欧州連合(EU)のモゲリーニ外交安全保障上級代表(外相)は19日、バングラデシュを訪問。ドイツのガブリエル外相や日本の河野太郎外相らとともに、同国南東部の都市コックスバザール周辺にあるロヒンギャの難民キャンプを視察した。

 ミャンマーの治安部隊は8月に発生したロヒンギャ系武装集団による襲撃に対し掃討作戦を展開。国連の推計によると、11月18日までに住民約62万人がバングラデシュ側に逃げ出した。難民らは治安部隊が多数の住民を殺害し、村に放火したと訴える。事件発生から3カ月近く経過した今も、死者数すら明らかになっていない。

 欧州勢はミャンマー国軍が組織的に関与したとみて、客観的な調査を要求している。だが国軍は内部調査で「掃討作戦は適正だった」とし、迫害を否定。スー・チー氏が、これに反する恐れのある調査の実施を受け入れられるかは不透明だ。

 一方、アジア各国はロヒンギャ問題に対して慎重姿勢が強い。特に中国はインド洋への経路にあるミャンマーとの関係を重視し、一貫してミャンマー政府の擁護に回っている。王毅外相は18日にバングラデシュのハシナ首相と会談し、ミャンマーとの仲裁役を申し出た。対ミャンマー非難決議案を議論した16日の国連総会の委員会では、多数の企業がミャンマーに進出する日本や、東南アジア諸国連合(ASEAN)の多くも棄権や反対票を投じた。

 外相会合にはバングラデシュのアリ外相も出席。ロヒンギャ難民帰還の手続きを巡りミャンマー側と協議するとみられる。今回の訪問で両国の議論がどこまで進展するかも焦点の一つとなる。

 ASEMはアジア・欧州の計51カ国とEU、ASEANで構成する。首脳会合と外相会合をそれぞれ2年に1回、交互に開催している。日本からは中根一幸外務副大臣が出席する。

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