2018年12月16日(日)

オウム観察処分更新請求 公安庁「なお危険団体」

2017/11/20 10:00 (2017/11/20 10:56更新)
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公安調査庁は20日、2018年1月末に期限が切れるオウム真理教(アレフに改称)や、分派した「ひかりの輪」に対する団体規制法に基づく観察処分の更新を公安審査委員会(房村精一委員長)に請求した。今回はアレフからさらに分派した新たな団体も処分対象に加えた。同庁は「今なお危険な団体で信者獲得を活発化させている」として警戒を強めている。

オウム真理教の観察処分の更新で、公安審査委員会側(右)に書類を手渡す公安調査庁の担当者(20日午前、法務省)

観察処分の更新請求は14年12月以来で6回目。公安審は教団側の意見聴取などを経て年明けに結論を出す見通し。

同庁は前回更新決定した15年1月以降、教団の全国の施設を計76回立ち入り検査。いずれの団体も活動形態に違いはあるものの、松本智津夫死刑囚(麻原彰晃、62)の教義を広め実現することを共通の目的にしているとして、同一団体とみなしている。

具体的には、依然アレフは松本死刑囚の延命を祈願するよう信者に指導し、新たな信者の獲得などの活動を活発化させているという。今回新たに処分対象に追加した「山田らの集団」は、15年1月以降、アレフ内部の意見対立から分派した30人程度で構成し、金沢市などに拠点を置く。松本死刑囚を前面に出して活動しているとした。

一方、教団元幹部の上祐史浩氏(54)が設立したひかりの輪が観察処分の取り消しを求めた訴訟で、東京地裁は9月の判決で「アレフとは相当性格が異なり、同一の団体とは認められない」として、観察処分を取り消した。国は判決を不服として控訴している。

今回の請求を受けて更新が決定しても、裁判で国の敗訴が確定すれば更新決定は無効になる。ひかりの輪は松本死刑囚の影響力を払拭したとしているが、同庁は「観察処分を逃れるための『麻原隠し』」とみており、今なお帰依を強めているとしている。

各団体の拠点は15都道府県に計34施設あり、国内信者数は前回更新と同じ約1650人(出家約300人、在家約1350人)。ロシアにも数施設を持ち、約460人の信者がいるとされる。

中川清明・公安調査庁長官は「教団は殺人を勧める綱領を保持するなど危険な本質に変わりはない。観察処分の期間更新の決定がなされたならば、引き続き立ち入り検査等をはじめとする観察処分を行う。今後とも公共の安全を確保し国民の皆様の不安解消に鋭意努める」としている。

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