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大リーグ、現代の監督に求められる条件
スポーツライター 杉浦大介

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2017/11/20 6:30
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今オフ、ヤンキースを10年にわたって率いたジョー・ジラルディ氏、メッツの指揮官を7年務めたテリー・コリンズ氏というニューヨークの2人のベテラン監督がユニホームを脱いだ。どちらも満了した契約が更新されなかったという形だが、事実上は解雇も同然。この2人がその座を追われた背景から米大リーグのチームが現代の監督に求めるものが見えてくる。

過去2年はプレーオフに進んだメッツが今季は70勝92敗に終わったのだから、コリンズ氏の退任は仕方なかったのかもしれない。2007、08年には日本でオリックスの監督を務めた同氏も、もう68歳。今年のシーズン中に一応は「まだ監督を続けたい」と述べてはいたが、"そろそろ潮時"という雰囲気はチーム、本人の両方から漂っていた。

残留濃厚とみられていたが…

一方、ジラルディ監督の契約が更新されなかったことはファン、関係者を少なからず驚かせたといっていい。17年のヤンキースは91勝71敗で、ワイルドカードながらプレーオフに進出。地区シリーズでは本命のインディアンスを破り、ア・リーグ優勝決定シリーズではアストロズに3勝4敗で惜敗したものの、ワールドシリーズにあと一歩まで迫った。

08年からチームを率いてきたジラルディ氏は通算910勝710敗という好成績を残し、10年間で6度もポストシーズンに進出。まだ53歳と老け込む年齢ではない。今年、12年以来のプレーオフ勝利にチームを導いた時点で、残留は濃厚とみられていたのだ。しかし――。

10月26日、ヤンキースはジラルディ氏の退任を発表。通算27度の優勝回数を誇る名門は、ここで新しい方向に進むことになった。

「今は心が沈んでいるが、オーナーやスタッフ、選手、ファンに感謝したい。プレーオフに入ってから、特に最後の6試合でみせてくれたファンの熱意と興奮は自分の胸に生涯刻まれるだろう」

退任決定後に発表された声明でジラルディ氏は感謝の言葉を繰り返したが、その一方で隠しきれない悔恨ものぞいた。アーロン・ジャッジ、ゲーリー・サンチェス、ルイス・セベリーノといった生え抜きの若手が次々と芽を出し、ヤンキースは再び上り調子。ジラルディ氏の声明にある通り、地元ファンもプレーオフではこのフレッシュなチームを熱狂的にサポートした。

マイナー組織にも好素材がそろっているだけに、ヤンキースが近い将来、再び黄金期を迎えるとみる関係者は少なくない。「やりかけの仕事を果たしたい」という強い情熱はジラルディ氏の中に間違いなくあったはずである。

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