2019年3月20日(水)

集団食中毒前に感染者50人 同型のO157、情報共有されず

2017/11/17 23:50
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厚生労働省は17日、群馬、埼玉の両県の総菜店で起きた腸管出血性大腸菌O157による集団食中毒を踏まえた調査結果を公表した。同じ遺伝子型のO157による感染が今夏、全国で91人に起き、うち50人は両県での集団食中毒が発生する前だった。国や自治体の間で情報共有が十分なされなかったことで、調査開始や注意喚起が遅れ、感染源の特定には至らなかった。

厚労省によると、今夏に「VT2」と呼ばれる毒素を出すタイプのO157の感染者が関東地方を中心に多発した。9月に全国の自治体に実態調査を依頼。7月17日~9月1日までに発症した141人のうち116人の菌株を調べた結果、15都県の91人が同一の遺伝子型であったことが判明したという。都道府県別では東京都が22人で最も多く、次は埼玉県の21人だった。

患者数を発症日別にみると、「2つの山」があった。1つ目は7月24日~8月8日までで、11都県で50人の患者の報告があった。東京都(17人)、神奈川県(14人)、埼玉県(6人)で、いずれも関連性を把握することはできなかった。

2つ目の山は8月9~17日だった。群馬と埼玉にある総菜店での集団食中毒はこの時期に当たる。ポテトサラダなどの総菜を食べた24人がO157に感染し、このうち3歳の女児が亡くなった。

O157の遺伝子型が同じ場合、共通の感染源がある可能性がある。今回の調査では共通の発生要因を明らかにすることはできなかった。

報告書では、調査開始の遅れを指摘。7月下旬から散発的に同じ遺伝子型のO157の感染が起きていたものの、国や自治体の間で情報共有が十分になされなかったことなどを問題点としている。

厚労省は同じ遺伝子型の食中毒を早期に把握すべく、各地方ごとに地方厚生局や自治体が参加する広域連携協議会を設置する方針。また、食品事業者の仕入れ先の記録が不十分だったことも原因究明を難しくした理由の一つだとして、対策を今後、検討する。

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