2019年7月23日(火)

シェアサイクルに再挑戦 千葉市、来春から実証実験

2017/11/18 2:00
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千葉市は来年3月から特定の場所で自転車を借りたり乗り捨てたりできる「シェアサイクル」の実証実験を始める。市では過去にも導入を試みたが、運営費用が不足し1年余りで撤退に追い込まれている。自転車の活用は渋滞緩和や温暖化ガスの排出削減につながる効果も期待されるが、市民への定着を図るには乗り越えるべき課題は多い。

今回の実証実験はJR千葉駅を中心とする「千葉都心エリア」と、JR海浜幕張駅を中心とする「幕張新都心エリア」の2地域(いずれも中心部から半径2キロメートルの範囲)で実施する。今月17日から事業者を公募し、2018年3月から1年間の実証実験を経て、19年10月以降の本格導入を目指す。

市は市内の公共施設や公道、公園など約110カ所で用地を確保し、自転車の貸し出しの拠点(サイクルポート)として活用してもらう。ポートの設置費用や運営コストなど実証実験にかかる費用はすべて事業者が負担し、自転車の利用料金も事業者が決める。

実証実験はスマートフォン(スマホ)などの活用を想定している。シェアサイクルは通勤・通学や観光などでの利用が見込まれるが、スマホで自転車の空き状況の確認や料金の決済などができれば、利用手続きが大幅に簡素化される。

ただ、市は13年12月、ほぼ同じ仕組みで外郭団体の千葉市観光協会が運営する「幕張新都心コミュニティサイクル」の社会実験を始めたが、自転車の故障や遠方での乗り捨てが頻発して修理や改修費が増大。運営コストを賄う広告収入も想定を下回り、15年3月で撤退に追い込まれた。

担当者は「同じことは繰り返さない」と説明するが、失敗に至った前回の社会実験について総括・検証はしていない。今回の実証実験は民間事業者が主体となり「運営手法は事業者の提案次第になる」(担当者)。市は補助金や委託料などの費用を一切負担しないというが、前回の教訓を共有しなければ、行政から民間への「丸投げ」と言われても仕方がない。

NPO法人自転車活用推進研究会の小林成基理事長は「シェアサイクルは自転車の台数とポートの設置数がカギとなる。人口の1%にあたる台数を確保できれば間違いなく定着する」と分析。そのうえで「民間委託する場合でも、行政が採算性と持続可能性の観点から明確な政策目標を掲げて進めなければ成功しない。『民間の工夫』と『行政の支援』の両立が重要だ」と指摘する。

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