ソフトバンク、「スゴ技」製品 高速発射台

コラム(ビジネス)
スタートアップ
ネット・IT
AI
IoT
(1/3ページ)
2017/11/18 6:30
保存
共有
印刷
その他

大企業とスタートアップが会社の規模や業種を超えて連携する動きが広がってきた。異質なものがつながり、化学反応を起こすコラボレーション(協業)が新市場を拓(ひら)く。ソフトバンクはクラウドファンディングの手法で、起業家たちの斬新な発想を形にする。オープンイノベーションの原点だ。

■企画・資金・販路も支援

ハタプロの手のひらに乗るAI「ZUKKU」はユーザーの意見を反映した

ハタプロの手のひらに乗るAI「ZUKKU」はユーザーの意見を反映した

「これって意外と店舗向けにいけるんじゃない? レストランならテーブルにも置けるしさ」。小型ロボットを開発するスタートアップ、ハタプロ(東京・港)の伊沢諒太社長は、ソフトバンクの営業マンの何気ないアイデアにハッとした。

ハタプロが開発した人工知能(AI)搭載の「ZUKKU」。手のひらに載るフクロウ型のアシスタントロボだ。構想段階ではクルマのドリンクホルダーに置いて、運転を手助けする目的だった。位置情報から街の観光スポットを音声で教えたり、事故など緊急時にボタン1つで通報したり。

だが、ソフトバンクの助言で軌道修正し、来年には小売店や外食店向けにも売り出す計画だ。顧客との対話や顔認証でお薦め商品を教えるなどマーケティングへの活用を見込んでいる。

西海岸流ものづくりをアレンジして取り入れた(ソフトバンクコマース&サービスの近藤IoT戦略室長)

西海岸流ものづくりをアレンジして取り入れた(ソフトバンクコマース&サービスの近藤IoT戦略室長)

伊沢氏に営業マンを紹介したのはソフトバンクコマース&サービスの近藤正充IoT戦略室長。スタートアップや個人のモノ作りを支援する新規事業「プラススタイル」の仕掛け人。そのビジネスモデルは独特だ。

商品企画の段階からアドバイスできる専門家を紹介したり、ネットを介して一般ユーザーから意見を募ったりする。アイデアが形になると資金をクラウドファンディングで個人から調達する。

技術面ではソフトバンクの提携先企業から選ばれた「技術メンター」が相談に乗る。多くのスタートアップが苦戦する製造委託先や販路も紹介。ソフトバンクはモノが売れた際に一定の手数料を受け取る仕組みだ。

ハタプロのZUKKUもユーザーから意見を募り、デザインや機能を磨いていった。ソフトバンクが展示会を紹介し、徐々に知名度を高めたことで商品化が見えてきた。

プラススタイルの発端は近藤氏が2013年に赴任した米シリコンバレー。そこで体験したブーム直前のクラウドファンディングの勢いだった。

個人や生まれたばかりの会社がネットで資金を集めてアイデア満載の商品を世に送り出す。近藤氏が出資したIT調理器具も一躍、大ヒット商品に。そのダイナミズムに魅せられ、個人主導のモノ作りの世界にはまっていく。「ハズレも多いけど、とにかくとがった商品が多くて面白い」

日本でも面白いモノを生み出す仕掛けができないか。米国流を移植するだけではつまらない。米国のクラウドファンディングも多くが「一発屋」だった。製造や販路でつまずくためだ。15年に帰国した近藤氏は資金調達だけでなく、製品の構想から生産、ユーザーに届くまでを一貫して支援できるプラットフォーム作りにまい進した。

  • 1
  • 2
  • 3
  • 次へ
保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]