「報道の自由」の改善勧告 国連人権理、日本に
【ジュネーブ=細川倫太郎】日本の人権状況を審査する国連人権理事会の作業部会は16日、日本への勧告を発表した。旧日本軍の従軍慰安婦問題に対する謝罪や「報道の自由」の改善など勧告数は218にのぼる。日本は内容を精査し、それぞれの勧告を受諾するか決める。
勧告は14日の審査会合で出た100以上の国や地域の意見を反映した内容。拒否することも可能で、法的拘束力もない。日本が受諾した項目のみを盛り込んだ最終的な勧告は2018年春に採択される。
従軍慰安婦問題を巡っては、中国などの主張を踏まえ元慰安婦への誠意ある謝罪と補償や「公正な歴史教育」の実施が盛り込まれた。政府が放送局に電波停止を命じる根拠となる放送法4条を改正し、メディアの独立性を高めるようにも求めた。
欧州各国の意見も踏まえ、死刑制度の廃止・一時停止も勧告した。東京電力福島第1原発事故後の住民支援の継続を求める勧告も出た。
国連人権理事会の審査は、すべての国連加盟国を対象に4年半に1回のペースで実施される。日本に対する審査は今回が3回目。