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ジンバブエ、南アが特使派遣で調停へ 大統領退陣で収拾か

【カイロ=飛田雅則】アフリカ南部のジンバブエで国軍がムガベ大統領を軟禁したことを受け、南アフリカは15日夜、マピサヌカクラ国防相とボンゴ国家治安相を特使としてジンバブエに派遣し、事態収拾に向けた調停を始めた。隣国のジンバブエで武力紛争が起きれば、多数の難民が南アに流入する恐れがあるためだ。37年にわたったムガベ氏の独裁支配は早期に終わるとの見方が広がっている。

特使は同氏と国軍幹部の双方と会談する予定。アフリカ南部諸国で構成し政治・経済で協力する南部アフリカ開発共同体(SADC)は16日に会合を開き、ジンバブエ情勢を協議する。

ムガベ氏は国軍の監視のもとで、自宅で軟禁されている。15日に同氏と電話で会談した南ア大統領のズマ氏は「身の安全は確保されている」と語った。ただ、ムガベ氏の求心力の低下は著しく、周辺国にも早期の退陣を迫られるのは確実だ。

今回の国軍の実力行使の背景には大統領夫人のグレース氏(52)と第一副大統領を務めたムナンガグワ氏(75)による後継争いがある。ムナンガグワ氏は白人少数政権時代からの独立運動に参加した闘士で、国家治安相などを経験。軍から強い支持を受け、ムガベ氏からいずれ大統領のポストを禅譲されるとみられていた。

しかし、ムガベ氏は6日、ムナンガグワ氏を副大統領職から解任。政敵の排除を急ぎ、グレース夫人を次期大統領に据えるための動きを加速させていた。こうした動きに軍が反発したとみられる。南アの調停では国外に出国したムナンガグワ氏の扱いが焦点となる。

37年間も実権を握るムガベ氏の独裁は国民の不満や欧米の批判を招いてきた。1990年代後半には独立前から続く白人所有地を接収して黒人に分配したことで、欧米諸国が批判。白人居住者が国外へ流出したうえ、国外からの投資も減少した。

2000年代に実施された大統領選挙などの不公正さや相次ぐ人権問題を受け、欧州連合(EU)や米国などはジンバブエ政府高官の渡航禁止や資産凍結などの制裁措置を実施。これを受けてムガベ氏は反欧米の姿勢を打ち出し、中国への接近を図っていた。

ムガベ氏が失脚すれば、こうした政策が修正される可能性もある。ただ、中国はムナンガグワ氏とも太いパイプを持っているとされる。軍も反欧米的なムガベ氏の路線を支えた経緯があり「早期に大きな改革が始まる公算は小さい」(欧米外交筋)との見方もある。

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