2018年11月22日(木)

インターン参加率はや7割超 就活前哨戦が過熱

2017/11/16 16:11
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2019年3月卒業の学生のうち、インターンシップ(就業体験)の参加経験者が早くも7割を超えていることがマイナビ(東京・千代田)の調査で分かった。今年から「1日型」が解禁されたことで普及が加速。超売り手市場のなか、学生が企業を選別する目は厳しくなっている。実施企業にとっては、内容の充実度が問われそうだ。

損害保険ジャパン日本興亜のワンデーインターンシップ(東京都千代田区)

1日型インターンには当初、大学から「実態は説明会と変わらず、就業体験とは言えない」という批判もあった。しかし最近では企業が工夫を凝らし、仕事を疑似体験できる機会などを盛り込む例が目立っている。

損害保険ジャパン日本興亜は10月から1日型インターンを始めた。

参加者を集めたグループワークでは、交通事故に遭った契約者への対応を疑似体験する。学生は事故のイメージ映像や契約者の発言、警察などから情報を収集。実際に起きた事故の判例集を参考に、最後に保険金支払いの責任割合を自分たちで考えて計算する。

情報を収集するチャンスは5回あるが、時間が経過した3回目になると証言者の発言が1回目より曖昧になるなど、実際の仕事に近い体験ができるよう工夫した。「ただ情報を集めるだけでなく、スピーディーな行動がいかに大事かということを感じてもらいたかった」(同社の人事担当)

住友商事も10月から1日型のインターンを実施している。10~11月に開いた第1弾のテーマは「ビジネス編」。1日に3~4回のグループワークを挟み、総合商社と金融、コンサルの業界比較や、同社の通販事業の戦略などを考える。1日の最後には社員とのディスカッションも盛り込んだ。

第1弾には3日間で約300人の学生が参加。人事部の原大祐氏は「一方的にこちらが話すのではなく、学生に商社に行きたい理由を考えてもらう機会にしてほしい」と話す。12月以降もテーマを変えて順次開催する。

企業がこうした工夫を凝らす背景には、学生の選別眼が厳しくなっていることがある。

大阪大学3年の女子学生は「グループワークがあると聞いて金融機関の1日型インターンに参加したが、実際は30分程度で終了。社員からのフィードバックもなく何も得られなかった」と話す。

一方で、慶応義塾大学3年の女子学生は「ワンデーなのに社員との昼食会があって色々と質問できた」と話す。想定よりも満足度が高かった結果、その企業のイメージも良くなったという。

マイナビの調査は9~10月にネットで実施し、4993人から有効回答を得た。10月までにインターンに参加したことがある学生は72.2%で、前年から12.5ポイント増えた。参加経験者の平均参加社数は2.7社となり、前年から0.6社増加した。

今後インターンに参加したい時期を複数回答で聞くと、「12月」が64.6%で最も多かった。ただ、伸び率では「10月」(33.8%)が前年比5.8ポイント増と最も高かった。「11月」(50.9%)も2.3ポイント増えた。秋冬にインターンを実施する企業が増え、学生も前年より早く参加する傾向が強まっている。

経団連は19年卒の採用からインターンの日数を「5日以上」とする規定を廃止し、1日型インターンが解禁となった。学生がインターンに参加しやすいと考える期間は「1日」が前年比8.9ポイント増の50%で最も多かった。実際に参加した期間についても「1日」が44%で最も多かった。

短期間でも内容が充実していれば、満足度や企業への理解が高まる。

一方で、「2~3日」と「1週間程度」のインターンを参加しやすいと思う学生は減っている。「2~3日」は前年より5.6ポイント減の36.8%だった。「1社の長期インターンよりも、複数社の短期インターンに参加して、志望する企業を決める学生が多くなっている」(マイナビ)。期間が長引くほど学生には負担になるという現実も影響しているようだ。

インターンはもはや学生にとって就活の「前哨戦」だ。内容にいっそう磨きをかけることが、企業にとっても、優秀な人材確保に直結する。インターンを巡る学生と企業の攻防は、今後ますます激しくなりそうだ。

(潟山美穂)

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