25年大阪万博誘致へ 日本、途上国支援をアピール

2017/11/16 1:43
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【パリ=川崎航】2025年国際博覧会(万博)の誘致を目指す4カ国によるプレゼンテーションが15日、フランス・パリで開かれた博覧会国際事務局(BIE)総会であった。6月のプレゼンで伝統文化などを強調した日本は今回、途上国支援に取り組む民間企業の女性らがスピーチ。会場構想案を通じて世界の調和に取り組む姿勢も示し、アジア・アフリカ各国の票取り込みを狙った。

プレゼンテーションでスピーチする藤田さん(15日、パリ)

スピーチするルタイシレさん

立候補したのは日本のほか、フランス、ロシア、アゼルバイジャン。4カ国がBIEに具体的な構想案を提出して以降初のアピールの場で、パリ市内の会議場にはBIE加盟国の代表ら約300人が集まった。開催国は18年11月の総会で各国の投票により決まる。

日本に与えられたプレゼンの時間は20分。口火を切ったのは、水質浄化剤を製造する日本ポリグル(大阪市)の国際広報担当、藤田千恵子さん。背景の大画面にアジアやアフリカの途上国で水質改善に取り組む自身の映像を流しながら、流ちょうな英語で「一緒に手を取り合っていきましょう」と何度も聴衆に呼びかけた。日本が強みとする先端技術を体験できる万博像を印象づけた。

スピーチのバトンを受けたのはルワンダ出身で学生時代を関西で過ごし、日本で働くジョアキム・ルタイシレさん。自らの日本経験を引き合いに「関西の人はおもてなしの精神にあふれている」と魅力を紹介。「大阪で万博を実現し、より良い社会を築くことに貢献したい」と大阪開催を後押しした。

大画面には、安倍晋三首相のビデオメッセージも流され、「私たちと一緒に世界の課題解決に取り組みましょう」と英語で呼びかけた。「25年の大阪のある1日」と題したアニメでは、外国人の男女が空港に到着してから大阪でたこ焼きなどの日本食を楽しみ、万博パビリオンを巡る様子も映し出された。

大阪市の人工島「夢洲」の会場構想案も動画で披露。パビリオンの配置は地域ごとには分けず、シンボルとなる巨大建造物もつくらない。「非中心」の理念に基づき、世界の調和を表現するものだと説明した。

最後は吉村洋文大阪市長が登壇し「関西はすでに盛り上がってきている。夢洲は最適な場所になると保証します」と意気込みを語った。

プレゼンが終わると、松井一郎大阪府知事や政府関係者が壇上に上がり、手をつないで聴衆に向けて頭を下げた。会場が大きな拍手に沸く中、万博誘致委の関係者は「会場の理念や大阪の良さを印象づけられたのではないか。18年初めのBIEの現地視察に向けて着実に準備を進めたい」と笑顔で話した。

ライバル3カ国は

日本の競合相手となるロシア、アゼルバイジャン、フランスも15日、目指す万博のイメージを示すとともに、歴史や文化など各都市の魅力を発信した。

日本に続いてプレゼンテーションに臨んだロシアは、著名なバレリーナが登壇し「エカテリンブルクの人々は万博の実現を夢見ています」とスピーチ。演劇や音楽にあふれた街の特色を示すとともに、誘致委員会の委員長が「技術革新により人々の生活を改善し、平等で幸せな社会をつくる」と訴えた。

アゼルバイジャンは国旗に描かれる「八角星」の形をした会場構想案を紹介。西洋と東洋の文化が入り交じる多文化都市での万博開催が望ましいと主張した。万博では才能と活力にあふれる人材を育成することで、国連が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)を達成するとした。

最後に発表したフランスは、パビリオンが集まる会場の「地球村」を紹介する動画を流し、最新のテクノロジーによる体験型施設で「来場者が夢中になれる」とPRした。ケニアやイタリアなどの学生ら約10人も万博大使として登壇し、「若い世代が活躍する場。最新技術のショーケースにもなる」と呼びかけた。

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