2019年6月19日(水)

中国特使、金委員長側近と会談へ 北朝鮮に核開発自制促す

2017/11/16 0:00
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【北京=永井央紀、ソウル=峯岸博】中国共産党の習近平(シー・ジンピン)総書記(国家主席)は17日、党中央対外連絡部の宋濤部長を特使として北朝鮮に派遣する。習指導部の2期目が発足した後、中国高官の訪朝は初めて。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の側近で外交を統括する李洙墉(リ・スヨン)副委員長と会談する方向。核・ミサイル開発を自制し米国と対話するよう促すとみられる。

中国国営新華社通信と北朝鮮の朝鮮中央通信は15日、宋氏の訪問を伝えた。中国高官が北朝鮮を訪れるのは、昨年10月に外務次官が訪れて以来。中国は2007年と12年の党大会後、社会主義国のベトナムやラオス、北朝鮮に高官を派遣し、党大会の内容を報告している。宋氏はすでに10月末にベトナムとラオスを訪問。今回の訪朝も形式上は同じ位置づけだ。訪問日程は公表されていないが、関係者によると4日前後の予定だという。

中連部は共産党の外交を推進する機関。宋氏は閣僚級で習氏の側近とされ、8月には安倍晋三首相とも会談した。党内序列はトップ25の政治局員より1段格下の中央委員。07年と12年には直前の党大会で昇格した政治局員が、当時の最高指導者である金正日総書記、金委員長と会談した。

中国外務省の耿爽副報道局長は15日の記者会見で「訪問期間中に中朝関係など共通の関心事について意見交換する」と説明。核・ミサイル問題が議題となる見通しだ。トランプ米大統領が先の訪中時に中国に伝えた対北朝鮮方針を宋氏が伝達するとの見方もある。北朝鮮は米国と連携して経済制裁に動く中国への不信感も強めており、中朝筋によると宋氏が金委員長と会談する可能性は低いという。

中国現代国際関係研究院の袁鵬副院長は15日の記者会見で「宋氏の訪問は中朝関係が良い方向に向かうシグナルだ。中国は北朝鮮の誤った行動を批判すると同時に、中朝の伝統的友好を大事にしている」と指摘した。

北朝鮮は米国への対決姿勢を崩さず、15日の朝鮮労働党機関紙、労働新聞は金委員長を批判したトランプ大統領の韓国国会演説(8日)を「われわれの最高尊厳を悪辣に冒涜(ぼうとく)した」と非難した。

一方、9月15日の中距離弾道ミサイル発射から2カ月にわたって軍事挑発を控えている。原子力空母3隻が参加した朝鮮半島近海での米軍事演習や、北朝鮮の輸出の9割を制裁対象とした国連安全保障理事会による制裁が一定の効果をあげているとの見方がある。

北朝鮮は米国との交渉も探りつつ、核放棄を前提とした対話には応じない構え。今回の特使受け入れでは中国に米朝交渉の仲介を求める可能性がある。ただ中国への不信感も強めており、核問題を進展させる突破口になるかは不透明だ。

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