2019年7月21日(日)

韓国、半導体頼みの最高益
上場企業、1~9月営業利益28%増

2017/11/16 0:39
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韓国取引所は15日、韓国の上場企業525社の2017年1~9月期連結決算を集計し結果を発表した。525社を合算した営業利益は120兆4572億ウォン(約12兆円)と前年同期に比べて28%増えた。1~9月累計実績としては過去最高になったが、主力の半導体大手2社をのぞくと微増にとどまる。一部産業と大手財閥に依存するいびつな産業構図。韓国経済をけん引する次の産業が見えにくい。

金融業や決算期を変更した企業などをのぞく、525社の決算をまとめた。売上高は1349兆ウォンで前年同期比11%増だった。当期の純利益は33%増の84兆ウォン。上場企業の営業利益が1~9月累計で100兆ウォンを超えたのは初めて。これまでは16年の94兆ウォンが最高だった。

LGグループは家電事業が好調(写真はソウル郊外の液晶パネル工場)

LGグループは家電事業が好調(写真はソウル郊外の液晶パネル工場)

業種別では基幹産業の「電機・電子」と「鉄鋼」の売上高がそれぞれ2割前後伸びた。韓国経済をけん引するサムスン電子の17年1~9月期連結決算は売上高が前年同期に比べて17%、営業利益は同92%も増えた。主力の半導体メモリーの営業利益が、スマートフォン(スマホ)やデータセンターの需要拡大を追い風に2.8倍の約24兆ウォンに達した。

LG電子は白物家電事業が好調。一時は損益が悪化したテレビ事業も有機ELテレビの拡販で回復しつつある姿が浮き彫りになった。同社関係者は「白物家電とテレビの利益率はサムスンを上回る」と強調する。鉄鋼大手のポスコは中国政府の供給抑制政策で世界の鉄鋼製品価格が上昇した恩恵を受けた。

好調な業績を背景に韓国株は上昇が続く。韓国総合株価指数(KOSPI)は10月下旬、1980年にKOSPI算出が始まって以来、初めて一時2500を突破。足元は2520前後で推移する。韓国市場では18年の業績拡大と一段の株高を予想する声が多い。

だが、現代自動車グループに代表される「運輸装備」の分野は微増だった。米軍の地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)配備問題で中国事業が落ち込んだ影響が出た。

韓国IBK投資証券の李鍾雨(イ・ジョンウ)センター長は半導体頼みの「一本足打法」の経済構造に警鐘を鳴らす。今回発表された営業利益から、サムスン電子とSKハイニックスをのぞくと、利益額は120兆ウォンから約72兆ウォンまで減る。

李氏は18年後半に半導体市況が曇り始める可能性を指摘。サムスン電子とSKハイニックスの2社だけで10兆ウォンの減益要因になると試算する。「これを埋める現実的な代替案は無い」と訴える。

世界で市場の拡大が確実視されているバイオシミラー(バイオ医薬品の後続品)分野の育成を進める韓国。今回の集計で「医療・精密」の分野で最大の4割近い増収になった。欧米で抗がん剤の販売承認を取得した製薬大手セルトリオンが好調だ。サムスンやLGなど大手財閥も医療関連事業を次の収益源に育てる計画を掲げる。過去数年の投資の成果が出始めているものの、半導体や自動車の「後継者」としては心もとない。

韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権は、労働者の最低賃金を来年以降、段階的に引き上げる。所得を増やし、回復が遅れる内需を活性化させる狙いがあるが、経営側の負担は増す。同政権は、法人税率の引き上げなど企業に厳しい政策が目立つ。半導体市況の行方と合わせて、韓国企業の成長が18年も続くかどうか見通せない状態が続く。

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