2018年1月19日(金)

米国務長官、「ロヒンギャ問題 公平な調査を」

東南アジア
2017/11/15 19:21 (2017/11/15 23:00更新)
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 【ネピドー=新田裕一】米国のティラーソン国務長官は15日、ミャンマーの首都ネピドーを訪問し、アウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相と会談した。長官は会談後の記者会見で、国軍が迫害に関与した疑惑に懸念を表明。「信頼できる公平な調査が必要だ」と述べ、ミャンマー政府に対してロヒンギャ問題の解決に向けた取り組みを加速するよう求めた。

 ミャンマー国軍はロヒンギャ問題を巡る内部調査では、住民殺害や放火などはなかったとして「治安部隊の掃討作戦は適切だった」と主張していた。これに対してティラーソン国務長官は、「治安部隊が迫害に関わったという信頼に足る報告がある」と指摘。「(スー・チー氏率いる)文民政権の主導で独立した調査を実施すべきだ」と述べ、文民政権の調査に国軍が全面的に協力すべきだとの考えを示した。

 同長官は「迫害への関与が明らかになった者には、あらゆる方法を使って責任を取らせる」と発言。調査結果次第では個人に対する制裁の可能性を示唆した。一方、ミャンマーの国全体に影響する経済制裁については、民主化の動きを損なう恐れがあるとして否定的な考えを示した。

 スー・チー国家顧問は「法の支配は、誰かを罰することが目的なのではなく、平和と安定を維持するためのものであることを皆が理解する必要がある」と応じた。

 米国がミャンマーへの圧力を強める背景には、ロヒンギャ問題が地域の不安定化につながるとの懸念がある。迫害が続けば、ロヒンギャ系武装集団のさらなる過激化や、その他のイスラム系過激派組織への戦闘員の流入につながりかねない。経済分野などでの連携強化の前提となる民主化も遅れる。

 国連の推計によると、8月のロヒンギャ系武装集団による治安部隊に対する襲撃事件以降、掃討作戦を受けてバングラデシュに逃れた難民は60万人以上に達する。ティラーソン国務長官は迫害行為について「民族浄化」という言葉は使わなかったものの「そのように認定するには様々な要件があり、そのためにも調査が必要だ」と説明した。

 ティラーソン国務長官はスー・チー氏が難民の帰還を受け入れ、地域の経済開発に取り組むことを約束したことについては評価している。一方で「(ロヒンギャの)国籍取得への道筋を明確にすることも必要だ」とくぎを刺した。

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