2019年6月20日(木)

西武ライオンズ メットライフドーム改修へ

2017/11/15 20:30
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西武ホールディングス(HD)傘下の西武ライオンズ(埼玉県所沢市)は15日、同市にあるメットライフドーム(旧・西武ドーム)の改修工事を12月から始めると発表した。投資額は180億円と、1979年に球場が完成して以来の大がかりな工事だ。客を幅広く呼び込むため、VIP席から子供向け広場まで設ける。改修を契機に鉄道事業への波及効果を狙う。

「西武ライオンズは西武のシンボル。(今回の改修により)新しい価値を提供し、新たな人に来てほしい」。西武ライオンズの後藤高志取締役オーナー(西武HD社長)は同日、東京都内で記者会見を開き、今回の改修工事にかける意気込みを強調した。

改修計画では球場のネット裏に約430席分のVIP席を設ける。さらに家族連れでも楽しめるように屋外広場のほか、フードエリアを新設。チーム育成を目指し、大型の室内練習場などを設ける計画だ。全体の完成時期は2021年春だ。

この球場は1999年にドーム球場に切り替えたほか、メットライフ生命保険との間で球場の命名権(ネーミングライツ)の契約を結び、3月から現在の施設名となっている。野球を取り巻く環境が決して良くないなか、同社は野球観戦者の裾野を広げ、ドームに足を運ぶ人を少しでも増やしていく考えだ。

もっとも、収容人数が3万3千人のドームまで鉄道を使ってもらえれば、同社の収益面にも波及効果が期待できる。列車の運行経費は変動がほぼ少ないため乗客が増えるほど増収が見込めるというわけだ。

足元では鉄道の輸送人員が4~9月期で累計1億2千万人(定期券利用者を除く)。景気が良いこともあり、16年同期と比べると1.5%増を記録するなど好調に推移している。

ただ、鉄道の輸送人員は92年3月期のピーク時と比べると4%程度低い。将来の沿線人口の減少を考えると沿線外からの誘客を進める必要もある。実際、ドームの来場客の多くは都心からやって来る。こうした郊外へと客を誘致する戦略は戦前から始まった、鉄道会社の事業モデルの原点とも言える取り組み。西武はこれに一層の磨きをかける。

西武HDはいま、イベント関連事業に力を入れる。3月には多目的ホール「横浜アリーナ」(横浜市)を買収した。アリーナは沿線外に立地しているが、イベントの企画力で定評があるアリーナのノウハウはドームにも水平展開できるとみる。

仮にドームで人気アーティストのコンサートを3日間開催すれば、最高で約20万人が鉄道に乗ってもらえる計算になる。さらに、近隣の「西武園ゆうえんち」(所沢市)などとの連携強化も模索していきたい考え。こうした一連の施策は、鉄道と沿線施設の集客の底上げにつながりそうだ。

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