2018年6月20日(水)

スマホを振ってタクシーを呼ぼう

2017/11/16 6:30
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 タクシー大手の国際自動車(東京・港)は利用者がスマートフォン(スマホ)を振ると、タクシー乗務員に居場所が伝わるサービスを始めた。配車を約束するわけではないが、利用者と乗務員がお互いに探しやすくなる。同時に配車アプリの提供も開始。乗客の利便性を高めて先行する日本交通(東京・千代田)に対抗するほか、ライドシェア(相乗り)が解禁された場合の対応策としても役立てる。

 国際自動車の東京23区と武蔵野市、三鷹市の約3300台を対象に始めた。利用者が専用アプリ「フルクル」をダウンロードしたスマホを振ると、タクシー車内のタブレット端末に居場所が表示される。

 乗務員はその情報を基に利用者が多いと思われる場所に向かうが、強制はしない。タクシーの数が多かったり、自分より利用者に近い場所にタクシーがいる場合などは向かわないという選択もできる。

 利用者のスマホには周囲約500メートルにいる空車タクシーの場所を地図で表示。タクシーが利用者から150メートルまで近づいたらスマホにバイブレーションで知らせる。夜間は「タクシーを呼び止める」のボタンを押すとスマホ画面が明滅して乗務員から見つけやすくなる。

 フルクルは一般的な配車アプリと異なり、配車契約を結ばない。都内は乗客を探して街を走る「流し」のタクシーが多い。配車アプリは特定のタクシーに依頼しているため、他社のタクシーが目の前を通っても待つ必要がある。フルクルは待っている間に先に来た他社のタクシーに乗っても構わず、迎車料金もかからない。

 フルクルを使ってもタクシーがつかまりにくい場合も想定し、迎車料金が必要な通常の配車アプリの提供も始めた。スマホで出発地と到着地を指定すると、タクシーが迎えに来る。アプリは単独で提供するほか、両アプリをダウンロードすればフルクルの画面から移行できる。

 国内の配車アプリは日本交通が手がける「全国タクシー」が先行している。全国のタクシー会社と連携しており、現在の加盟タクシーは約5万台に達している。利用者にとって配車アプリは登録台数が多いほど利便性が高い。国際自動車は後発でも対抗できるようにあえて「配車しない」アプリを開発した。

 日本は自家用車による有償配送が原則禁止されており、ライドシェア大手はタクシー会社と連携する。米ウーバーテクノロジーズは都内でハイヤーやタクシーを配車。中国最大手の滴滴出行はタクシー最大手の第一交通産業と提携して来春にも日本に進出する。

 ただ、タクシー業界には利便性が低ければ規制緩和の議論が進みかねないという危機感がある。国際自動車は希望するタクシー会社があればフルクルを全国に広めていきたい考え。田中慎次取締役は「フルクルは究極のライドシェア対策だ」と強調している。

(企業報道部 清水孝輔)

[日経産業新聞 2017年11月16日付]

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