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ジンバブエでクーデターか 軍が放送局占拠、大統領自宅軟禁

(更新)

【カイロ=飛田雅則】アフリカ南部のジンバブエで国軍が15日、国営放送局を占拠した。1980年の独立以来、実権を握り続けるムガベ大統領は、軍の監視下のもとで自宅軟禁の状態にあるとされている。軍の行動の背景には高齢のムガベ氏の後継者を巡る対立がある。軍は有力候補のムナンガグワ第1副大統領が解任されたことに反発し、実力行使に出たとみられる。

国軍の報道官は15日、占拠した国営放送を通じて、「社会や経済の苦境を招いたムガベ氏周辺の犯罪者が標的だ」とその狙いを伝えた。軍用車両が首都ハラレの議会周辺などに展開しているという。

ムガベ氏と親しい隣国の南アフリカのズマ大統領は15日、「自宅で軟禁されているが、身の安全は確保されている」と、ムガベ氏との電話での会談内容を明らかにした。

国軍の行動の背景には、「ポスト・ムガベ」をにらんだ動きがある。2018年の大統領選挙に立候補する予定のムガベ氏は、最近は体調が悪化していると伝わっている。療養のため、シンガポールにたびたび訪れていたという。

自身の健康への不安もあり、ムガベ氏は権力の禅譲に向けて有力候補の排除を続けてきた。同氏は6日、「不誠実な態度をとった」と非難し、後継者として有力候補であったムナンガグワ氏を突然解任した。その結果、ムガベ氏夫人のグレース氏が有力候補に浮上した。

52歳のグレース氏は海外ブランド品を買いあさるなど浪費癖が有名だ。後継者として資質に問題があると考え、夫人と不仲にあるとされる国軍司令官は13日に「介入にちゅうちょしない」と警告していた。

独立以前のジンバブエは白人支配が続いてきた。1960年代から抵抗運動が強まり、リーダーとして運動を率いてきたのがムガベ氏だ。同氏は白人支配を打倒したため、国内では「英雄」として扱われてきた。

1980年の独立後、黒人と白人の共存を図ったうえ、欧米とも良好な関係を保った。その後、政敵の弾圧や大統領選での不正疑惑が取り沙汰されるなど、権力の私物化が問題視されてきた。欧米諸国は「独裁者」として批判を強めてきた。

経済では政策の失敗が続き、2008年ごろにはハイパーインフレを招いた。極度な経済の混乱は収まったが、巨額の対外債務や経済成長の鈍化が続いている。今回の軍の動きがクーデターに発展し、ムガベ氏が退陣に追い込まれる可能性はある。ただ、体制内の権力闘争にとどまるため、民主化が進む可能性は低いとみられる。

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