2017年11月23日(木)

「早く娘を帰して」めぐみさん拉致40年で横田夫妻

社会
2017/11/15 11:28
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 横田めぐみさん(失踪当時13)が北朝鮮に拉致されて15日で40年。めぐみさんの父、滋さん(85)と母の早紀江さん(81)がそろって記者会見し、「もう先は長くない。早くめぐみちゃんを帰してください」と訴えた。北朝鮮を取り巻く国際情勢は厳しさを増し、救出に向けた糸口は見えない。「もう一度娘を抱きしめたい」。その思いはますます強くなっている。

記者会見する横田早紀江さん(左)、滋さん夫妻(15日午前、川崎市)

 午前10時半ごろ、滋さんの手を取り、川崎市内の会見場に姿を見せた早紀江さん。40年間を振り返って「すぐ近くにとじ込められているのに、どうして助けてあげられないのと毎年思っている」と悲痛な思いを口にした。

 「(自分と滋さんの)二人の思いは1つだけ。早くめぐみちゃんに会いたい。それだけです」。しっかりと前を見すえ、かみしめるように言葉をつないだ。体調が優れない滋さんの発言はなかったが、時おり隣の早紀江さんに目をやり、小さくうなづいた。

 二人三脚で拉致問題の先頭に立ってきた。「夫は生真面目で忍耐強い人。支え合って運動してきた」と早紀江さん。北朝鮮にいるめぐみさんに「必ず助けるから病気をせずに待っていて」とメッセージを送った。

 拉致問題は膠着状態が続く。北朝鮮は2002年に「めぐみさんは死亡」と発表。めぐみさんの「遺骨」から別人のDNA型が検出されたり、死亡日時を訂正したりと疑惑が膨らんだ。16年には拉致被害者らの再調査中止を一方的に発表。核実験やミサイル発射を繰り返し、日朝関係は悪化している。

 「はじめから信じていない。どこかにかくまわれている」(02年にめぐみさん「死亡」を伝えられた早紀江さん)、「混乱の中で、生きていることが隠されてしまわないか心配」(11年の金正日総書記死去の報を聞いた滋さん)。夫妻は政治や国際情勢に翻弄されながらも、娘との再会だけを目指し活動を続けてきた。

 6日には、来日したトランプ米大統領と早紀江さんが面会。北朝鮮への強硬姿勢をみせるトランプ氏に対し、「事態を動かしてくれるのでは」と期待を寄せた。

 ただ、この場に滋さんの姿はなかった。07年に家族会代表を退いた後も講演活動などで全国を飛び回っていたが、近年は足腰が弱まり、言葉もうまく口に出せなくなった。現在は週数日、デイケアサービスに通う。

 夫妻の自宅には、カメラ好きな滋さんが撮影しためぐみさんの写真が部屋中に飾られている。ただ写真立てが伏せられたものもある。北朝鮮内で撮影されためぐみさんの写真だ。

 「あの国にいるめぐみちゃんを見るのはつらい……」。滋さんと早紀江さんは、一日も早く家族全員がそろった写真を飾る日を心待ちにしている。

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