アウターの王道ブランド 個性醸す「マイ定番」を探せ
コートとダウンの名品特選

コートやダウンジャケットなど一番外側に着る「アウター」には名品が多い。伝統あるブランドが長い歴史の中で培ってきた傑作が、数多く存在するからだ。その中から10年後も着られる「マイ定番」を手に入れれば、自分のスタイルを確立する指針となってくれるはずだ。
マッキントッシュ
ステンカラーで知られる英国コートの本流
往年のモデル名を復刻した新定番を押さえる
世界初の防水布「マッキントッシュクロス」によるレインコートは、英国で生まれ、その後約200年間愛され続けてきた。デザインやシルエットは時代に合わせて多彩に進化を遂げてきたが、大きく変化したのは2015年の秋冬のこと。ブランドロゴを一新し、それまでのモデル名を型番に変更。よりコンテンポラリーなブランドへと生まれ変わった。リブランド以降はブラッシュアップを重ねながら継続モデルの吟味がされてきた。ブランドを象徴する「ステンカラー型」と。従来より人気の「ベルテッドコート型」に大別される。そして今季、今後も定番としてリリースする5つのモデルが決定。傑作のDNAを引き継ぐコートたちは、よりモダンなシルエットを得てオンもオフもスタイリッシュに。新たなネーミングを押さえることで、再び各々の着方に合わせた指名買いがしやすくなっている。

スコットランドの化学者、チャールズ・マッキントッシュが1823年に発明したゴム引きクロスは、2枚の生地の間に溶かした天然ゴムを挟み込むという、誕生以来変わらぬ製法で今も作られている。数々の名品を生み出したこのブランド名は、レインコートの代名詞として英語辞書にも掲載されている。
新定番5大モデルを比べて選ぶ
【1】 DUNCAN(ダンカン)

飽きの来ないIラインが魅力の
ブランドベストセラー
シンプルかつオーセンティックで飽きのこない、Iラインの王道ステンカラーコート。かつてスリークォーター丈の先駆者的コートといわれたモデルの名を継承している。
15万7000円(マッキントッシュ青山店)
【2】 CULLEN(カレン)

全8色展開で幅広く着こなせる
レディスのコートのメンズ版として誕生した、フード付きのステンカラー。鮮やかな色のものなどカラー展開が豊富なことでも人気のロングセラーモデル。
16万6000円(マッキントッシュ青山店)
【3】 DUN(ダン)

カジュアルからドレスまで万能選手
ダンカンをショート丈にアレンジ。カジュアルに着れば軽快でアクティブな装いに、ジャケットやスーツの上から羽織っても上品な装いが可能。
15万7000円(マッキントッシュ青山店)
【4】 MONKTON(モンクトン)

装飾をそぎ落とした
ベルテッドコート代表
前身頃が広くて、ボタンが2列になっているダブルブレステッドのステンカラー。ベルトを配しているので、ウエストをマークすることで、より男らしく立体的なシルエットで着ることができる。
15万7000円(マッキントッシュ青山店)
【5】 FETLAR(フェトラー)

短丈でスポーティな装いとも好相性
モンクトンをベースにショート丈仕様にアレンジしたモデル。素材にはメルトンウールを採用し、ピーコートのようにジャケット代わりに着ることもできる。
12万円(マッキントッシュ青山店)
バーバリー
正統派トレンチコートの代表格
王道トレンチの4つの型は丈とフィットの差で選ぶ
20世紀初頭、英国軍の依頼により開発されたトレンチコートは、トーマス・バーバリーが生みだしたギャバジン素材のタイロッケンに由来する。その雄々しく機能的なデザインは、フロントボタンがなくベルトで開閉する、このミリタリーコートを継承したものだ。現在のコレクションに於いて、毎シーズン登場する「ヘリテージ・トレンチコート」こそ、当時の面影を残しながら進化を遂げたギャバジンのトレンチである。モデルは4種、どれもブランドのアイデンティティであるハウスチェックを上襟裏やライニングなど随所に用いている。それぞれに固有のフィッティングと着丈を有し、自身の体型や着方に合わせてそれぞれ適切なものを選ぶことが、長く愛用できるトレンチとの出会いにつながる。

1856年にバーバリーを設立したトーマス・バーバリーは、通気性を保ちつつ、高い耐久性を誇る、ベルテッドのギャバジンコート「タイロッケン」を製作し特許を取得。それを元に第一次世界大戦中に開発されたトレンチコートは、今もなお、ブランドを象徴するアイコンとして人気を博している。
【1】 THE WESTMINSTER(ウエストミンスター)

ロング丈で最もクラシック
英国サイズ48で着丈112cmというロング丈。ゆったりとしたリラックスフィットで重ね着もしやすい。
23万円(バーバリー・ジャパン)
【2】 THE KENSINGTON(ケンジントン)

ジャケットに合わせやすい
ジャケットとも好相性の万能選手。ウエストミンスターの次にリラックスフィットするモデルだ。
23万円(バーバリー・ジャパン)
【3】 THE SANDRINGHAM(サンドリンガム)

コンパクトでかっちり
チェルシーの次に細身のフィット。ジャケットの上から着てもコンパクトでアクティブな印象だ。
23万円(バーバリー・ジャパン)
【4】 THE CHELSEA(チェルシー)

スリムフィットのモダン顔
最も細身なフィッティング。セットインスリーブでジャケット代わりに羽織れるトレンチコートだ。
23万円(バーバリー・ジャパン)
◇ ◇ ◇
【肩つき(2タイプ)】 クラシックなラグラン型(左)と、かっちりした印象のセットイン型(右)

【カラー展開(4タイプ)】 オンからオフまで合わせやすいベーシックカラーをラインナップ
左から順に淡いベージュの「ハニー」、「ブラック」、「ネイビー」、「ストーン」。ケンジントンのみ白味を帯びたベージュ「ストーン」をラインナップしている。
※上の各モデルは、英国サイズ48で比較の場合。価格は全てロング丈のものです。
モンクレール
高いデザイン性と機能性を誇る都会派ダウン
今季の人気モデルから着こなしの幅を検証する
いまやビジネススタイルのアウターにダウンを着ることは珍しくない。しかし本来は過酷な環境下で着用する防寒着だったはずのダウンジャケットを、街着のレベルにモダナイズしたのはモンクレールこそが先駆者である。軽量かつ保温性の高いダウンフェザーを、機能的でスタイリッシュなアウターに仕上げただけでなく、モダンなデザイナーズウェアの領域にまで昇華させている。しかもシーズンごとに新作のリリース数も豊富なうえ、シーンやスタイルに合わせてラインナップされるモデルは様々。スーツの上から着られるダウンコートをはじめ、冬山登山など本格的なアウトドアにも対応するモデルまで、幅広いシーンとスタイルに対応するダウンアウターを、最新のコレクションから見つけ出したい。

1952年、仏グルノーブル郊外、アルプスの麓モネスティエ・ドゥ・クレルモン村で、アウトドアグッズの会社として設立。2003年、現会長兼CEOのイタリア人企業家のレモ・ルッフィーニが買収し世界戦略を展開。新レーベルを発足したり国内外のデザイナーやアーティストとのコラボなど展開著しい。
【1】 MAYA(マヤ)

ブランドアイコンの
ロングセラーモデル
光沢のある表地素材のナイロンラケが'80年代のダウンをイメージ。アーカイブモデルを現代的なシルエットに再構築した、スポーツダウンの定番。
14万2000円(モンクレール ジャパン)
【2】 ALLIX(アリックス)

男らしい装いに映える
MA-1タイプブルゾン
キルティングステッチを表に出さない構造になっているMA-1型ブルゾン。フライトジャケットのボリュームで、街着にもアウトドアにも活用可能。
17万2000円(モンクレール ジャパン)
【3】 ERAULT(エロー)

薄手だから長期間にわたり
着用可能なシャツ型ダウン
CPOシャツを思わせるパデッドダウンシャツ。ボリューム控えめなうえ、ボタンナップを外し前を開けて羽織る着方なら、春先まで着ることができる。
14万4000円(モンクレール ジャパン)
【4】 RIVER(リバー)

ファーで上品カジュアルに装える
フード付きダウン
コヨーテのファートリムがついたオーセンティックなフーデッドダウン。フードを外せばよりドレッシーな雰囲気でも着ることができる。
34万3000円(モンクレール ジャパン)
【5】 VALLIER(ヴァリエール)

上品なタッチで都会顔で着られる
ウールフランネルのスタンドカラーコートは、ビジネスでの着用にも適したモデル。フロントを開けると、ダウンのストームガード付いている。
19万8000円(モンクレール ジャパン)
【6】 NOE(ノエ)

シンプルなデザインはビジネスにも有効
フード付きのステンカラーコートをボリューム控えめに仕上げたダウン。ビジネスの際にもエレガンスを損ねないよう機能ディテールを確保。
20万3000円(モンクレール ジャパン)
※表示価格は税抜きです。
撮影/若林武志 スタイリング/武内雅英(CODE) 文/池田保行(04) 撮影協力/バックグラウンズ ファクトリー
[MEN'S EX 2017年12月号の記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。