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角界問われる体質 番付社会の「負」の側面見直しを 日馬富士暴力問題

2017/11/14 23:36
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 大相撲の横綱日馬富士が、酒席で平幕貴ノ岩に暴行に及んでいたことが14日、明らかになった。調査次第では日馬富士の進退問題に波及することも考えられる。品格が問われるはずの横綱の蛮行によって、大相撲が揺れている。

 角界の暴力ざたはいまに始まったことではない。7年前に場所中の暴行で引退に追い込まれた朝青龍など横綱の不行跡にも前例がある。カメラマンを殴って出場停止処分を受けた外国人力士もいた。2007年には金属バットで殴られるなどした時津風部屋の序ノ口力士が死亡する痛ましい事件も起きている。

 時津風部屋の事件以降は各部屋の稽古場から竹刀が撤去されるなどしたが、相撲界には暴力的な体質がなお残る。不始末をしでかした付け人に言葉ではなく体を使って“指導”する力士。元気な下位力士を痛めつけることに主眼を置いたような、荒々しい技を見舞う上位力士もいる。

 日馬富士にもその兆候があった。大関時代の一門の連合稽古。三番稽古で若手力士を土俵の外に出す際に、不必要と思えるほど羽目板の壁にたたきつける光景があった。見かねた一門の親方が本人に注意し、「勘違いしている。関取衆は稽古台ではない。下の者が稽古をつけてもらったと思わなくてはいけない」と報道陣の前で憤っていた。

 けがを負わせるのは論外。だが暴力なのか指導なのか、その線引きは難しい。上位力士が下位力士に厳しい稽古をつける「かわいがり」がなければ、下位力士が成長していかないのも確かだ。

 大相撲は番付によって上下関係が制度化されたクラシックな社会だが、最低限のコンプライアンスを行き渡らせないと今回のようなケースが再び起きるのではないか。下位力士は上位力士に逆らえない。権威を暴力として誇示されても、泣き寝入りするほかない。だからこそ最高位の力士には「自制」と「情」が必要。

 最近は日馬富士も看板力士としての自覚が増しているように感じられた。先場所の優勝後には「若い力士が上がってきている。(横綱として)いい見本を見せて、次の世代に受け継いでいくのが相撲道です」と語っていたのだが……。

 今回の問題を単なる酒席でのトラブル、横綱一人の問題として片付けてはいけないだろう。相撲協会は今回の件を教訓にして、暴力問題の「芽」を摘んでいく必要がある。(金子英介)

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